【徹底解説】プログラミングにおけるフレームワークとは?プログラミング言語別のおすすめや勉強方法

プログラミングにおける「フレームワーク」とは、どのようなものを指すのでしょうか。聞いたことはあっても、明確には分からない人もいるでしょう。
本記事では、プログラミングにおけるフレームワークの概要や、言語ごとにおすすめのフレームワーク、勉強方法なども記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングにおけるフレームワークとは

プログラミングにおけるフレームワークとは、Webアプリケーションやプログラム、システム開発に必要な機能がまとめて用意された枠組みを指します。
機能や設計パターンが事前に組み込まれたフレームワークを使用すれば、一から開発する必要がないため、効率化が可能です。
効率化を求める企業の多くは、フレームワークを活用してサービス開発を行っている傾向にあります。コードの再利用性が高いため、同じコードを何度も書く手間を省けるのが特徴です。
なお、フレームワークはプログラミング言語ごとにあり、それぞれの使い方を習得した上で開発を進めなければなりません。
フレームワークとライブラリの違い
プログラミングを学び始めたばかりだと「フレームワーク」と「ライブラリ」が混同してしまうこともあるでしょう。
ライブラリは「特定の機能を集めてパッケージ化した部品」です。画像スライド作成やデータ分析機能がライブラリの例として挙げられます。Webアプリ開発で効率化を図るなら、ライブラリの使用が必要です。
これに対しフレームワークは「全体の枠組み」を提供します。機能の集まりであるライブラリとは異なり、フレームワークには全体の処理の流れが実装されています。
プログラミングでフレームワークを使用するメリット・デメリット
ここからは、プログラミングでフレームワークを使用するメリット・デメリットに加えて、注意点やリスクも解説します。
フレームワークを使用するメリット
開発にフレームワークを使用するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
- 効率化でき、開発にかかる時間を削減できる
- プログラムのミスやエラーを減らせる
- コードの書き方やコーディングのルールが統一できる
フレームワークを使えばゼロからプログラミングしなくてもよいため、開発にかかる時間が節約でき、効率化できます。またプログラミングで書く量が少ないため、ミスやエラーの予防にも役立つでしょう。
さらにコーディングの書き方やルールも統一できるため、人によってコードの書き方が異なるという事態を避けられます。
フレームワークを使用するデメリットや注意点
開発にフレームワークを使用するデメリットや注意点は、主に以下の4つです。
- フレームワークに対する理解や知識が必要
- プログラミングの自由度が下がってしまうリスクがある
- 頼りすぎるとプログラミング言語の理解が不十分になる
- 脆弱性のリスクがある
まず、それぞれのフレームワークへの理解や知識が必要なため、習得までに時間がかかることに留意しておきましょう。また、フレームワークにはルールが設けられており制限があるため、自由度が下がる可能性もあります。オリジナルの機能を取り入れたい場合や、自由に開発してみたいと考えている場合は、障害となってしまいます。
フレームワークという土台があると、プログラミング言語を細かく理解していなくても開発できるというメリットがあります。一方、フレームワークに頼りすぎると、エラーやトラブルが生じた際に誰も対応できない状況に陥るリスクがあるので気を付けましょう。
さらに、多くのコードを含んでいるフレームワークは脆弱性を抱えている可能性もあり、サイバー攻撃の標的とならないように注意が必要です。
各デメリットを理解した上で、うまく活用する方法を自分なりにみつけることが重要です。
プログラミング言語ごとのおすすめフレームワーク

フレームワークはプログラミング言語ごとに多数あるため、開発に使用する言語によって適切なものを使い分けなければなりません。ここでは、各プログラミング言語の特徴と、よく使用される代表的なフレームワークを紹介するので参考にしてみてください。
Javaの代表的なフレームワーク3選
Javaで使用される代表的なフレームワークの中から、おすすめの3つのフレームワークの特徴や概要を紹介します。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
Spring Framework | ・機能の拡張性が高く、幅広い開発に使用されている ・大規模開発に利用されている ・習得の難易度は比較的高い |
Play Framework | ・JavaとScalaの2つの言語に対応 ・動作が速い ・Ruby on Railsに似ている |
JSF(JavaServer Faces) | ・WebアプリケーションのUI構築に活用される ・テキストフィールドやセレクトボックスの設定に役立つ |
PHPの代表的なフレームワーク3選
PHPで使用される代表的なフレームワークの中から、おすすめの3つのフレームワークとその特徴を紹介します。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
CakePHP | ・Ruby on Railsの影響を受けている ・簡単かつスピーディーに開発可能したい場合に向いている ・規約が厳しくシンプルな開発しかできないため、自由に開発したい場合には向かない |
Laravel | ・制限が少なく自由度が高い ・機能が充実している ・簡単に理解しやすく、初心者にもおすすめ ・最新技術・流行にも適応できるフレームワークを探している場合に向いている ・複数人で同時にソースコードを触る場合は処理速度が遅くなるため向かない |
FuelPHP | ・他のフレームワークの長所を取り入れている ・「規約より設定を重視する」を掲げているため自由度が非常に高い ・自由度が高い分コードが属人化しやすいため、小規模な開発に向いている |
JavaScriptの代表的なフレームワーク3選
JavaScriptで使用されるおすすめの代表的なフレームワークの中から、以下の3つの概要や特徴を紹介します。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
Angular | ・Webアプリケーション開発に必要な機能を装備 ・無料で利用でき、コストを節約できる ・JavaScriptのフレームワークの中でも人気が高い |
Vue.js | ・ルールが少なく、自由度が高い ・初心者でも使用しやすい ・小規模開発に向いている |
React | ・オープンソースで公開されている ・UIに特化している ・部分的な開発が可能 |
Pythonの代表的なフレームワーク3選
Pythonに使われる代表的なフレームワークの中から、以下の3つのおすすめとそれぞれの概要や特徴を紹介します。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
Django | ・Pythonのフレームワークの中でも人気が高く、需要も多い ・シンプル ・生産性が高い ・Pythonとセットでの習得がおすすめ ・中規模以上の開発に向いている |
Flask | ・最低限の機能のみを備えた「マイクロフレームワーク」の中でも人気が高い ・シンプルで動作が速い ・学習の難易度が低く、習得しやすい ・小規模なWebアプリケーションの開発に向いている |
Bottle | ・最低限の機能のみを備えた「マイクロフレームワーク」 ・1つのファイルのみで構成されている ・初心者の学習におすすめ |
Rubyの代表的なフレームワーク3選
Rubyで主に使われる代表的なフレームワークの中から、以下3つのおすすめのフレームワークと各概要を紹介します。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
Ruby on Rails | ・Rubyのシステム開発には必須 ・DRY原則で設計され、何度もコードを書かなくてよい ・生産性と保守性を向上できる |
Sinatra | ・少ないコードで比較的簡単に記述できる ・初心者でも取り組みやすい ・小規模な開発に向いている |
Padrino | ・Sinatraをベースに作られている ・機能が充実しているにもかかわらず、少ないコードで開発可能 |
CSSの代表的なフレームワーク3選
CSSに使用される代表的なフレームワークの中から、以下のおすすめ3つと概要や特徴を紹介するので参考にしてください。
フレームワーク | 概要 |
---|---|
Bootstrap | ・パーツのテンプレートが装備されている ・簡単にビジュアルをよくできる |
Foundation | ・カスタマイズ性が高く、オリジナルのデザインを構築できる ・ルールが複雑 ・デザインにこだわりたい場合におすすめ |
UIKit | ・デザイン性が高いテンプレート ・おしゃれなWebサイトやアプリケーションの構築が可能 |
プログラミングにおけるフレームワークの選び方

要件に合った機能や拡張性があるか
プログラミングのフレームワークを選ぶ際は、プロジェクトの要件に合った機能やツールが備わっているかを確認しましょう。「どのような開発に利用するのか」を明確に定めた上で、必要な機能が備えられているフレームワークを選択します。
また自分が使用するプログラミング言語に対応した、使いやすいフレームワークを選ぶのもポイントです。プロジェクトに適したパフォーマンスと拡張性のあるフレームワークであるかも重要です。
セキュリティやサポートがあるか
フレームワークを選ぶ時は定期的に更新されていたり、セキュリティが強固だったりといった安全面が信頼できるか確認しましょう。
サポートの終了を予定している古いフレームワークだと、後で移行しなければならないため注意が必要です。サポート体制や、コミュニティが活発なフレームワークであれば、情報が多いため学びやすく、トラブルも解決しやすいです。また、開発やメンテナンスもスムーズなため、利用者が多い有名なフレームワークを選ぶとよいでしょう。
学習コストと習得難易度はどのくらいか
自分のスキルレベルに合ったフレームワークを選ぶことも重要ポイントです。
フレームワークの中には、習得難易度の高いものがあるため、習得までに余計な時間がかかる可能性があります。習得難易度や学習環境、利用者数などをチェックして、自分のレベルに合い、なおかつ学習コストがかかりすぎないフレームワークを選ぶとよいでしょう。
プログラミングにおけるフレームワークの勉強方法

プログラミングのフレームワークを学ぶ際の、一般的な勉強方法を解説します。それぞれのメリット・デメリットも伝えるので、自分に合った勉強方法を検討してみてください。
独学する
フレームワークの公式ドキュメントから独学すれば、正確かつ最新の知識を得られます。
オンライン学習プラットフォームも併用し、フレームワークのコースやチュートリアルを視聴して、理解を深めましょう。他の人が書いたコードを読んだり質問したりすることで理解を深めるのも有効です。
独学の大きなメリットは低コストで始められることに加え、自分のペースで学習でき、自由度が高いことです。
一方で独学のデメリットとして、学習途中で疑問点や問題が発生した際、自力での解決が難しいことが挙げられます。また自己管理がうまくいかないと学習の進行が停滞したり、非効率な方法で進めてしまったりといったリスクも考えられるでしょう。
スクールで学ぶ
ITスクールでは、初心者でも分かりやすいようにカリキュラムが組まれており、フレームワークの基礎から実践まで段階的に学習できます。
実績豊富なプロの講師から直接フィードバックを受けられ、効率よくスキルを身に付けられるのがスクールの特徴です。質問にすぐに答えてくれるサポート体制が充実しており、学習中に疑問が生じた際もスムーズに解決できます。
スクールのメリットは、カリキュラムに従って学べる上、質問や疑問をその場で解決でき、モチベーションを維持した状態で学習を進められる点です。
また実際にプロジェクトやチーム開発を経験できることなども挙げられます。
一方デメリットとしては、独学に比べてコストがかかることや、スケジュールに縛られることが挙げられます。しかし、自分に合ったスクールを見つけられると、効率よく学習を進められるでしょう。
プログラミングのフレームワークを勉強するときの注意点
プログラミングのフレームワークを勉強する際は、ここで紹介する注意点を理解した上で、学習を進めましょう。
初心者はまずプログラミング言語の習得が重要
初心者の場合、まずはプログラミング言語の学習を丁寧に進めてください。
初心者がフレームワークを使った開発ばかりしてしまうと、プログラミング言語に対する理解が浅くなる可能性があります。急なトラブルやエラーへの対応が難しくなり、独自開発もできなくなるでしょう。
プログラミング言語をしっかり基礎から理解しておくと、他の言語を習得するときでも学習が容易になります。将来的に大きなメリットが得られる可能性があるため、言語の基礎からしっかり学びましょう。
プログラミング言語を習得できるITスクールのコース一覧|マナビタイム
最新情報を確認しながら学ぶ
フレームワークを学ぶ際は、最新情報を確認しながら学ぶことも重要です。
プログラミング言語がバージョンアップすると、フレームワークも伴って進化します。
古い情報しか習得できていなければ、せっかく学習した内容を生かせない可能性があります。最新のトレンドをキャッチして、適したフレームワークを使いこなせるようになりましょう。
まとめ:成果につながるフレームワークを学ぼう
プログラミングにおけるフレームワークとは、システム開発に必要な機能を集めた枠組みのことです。
一からプログラムを記述しなくてもよい便利な面がある一方で、プログラミング言語やその他の知識を身に付けなければ、トラブルに対応できないリスクがあります。
プログラミング言語をきちんと基礎から学びたいなら、マナビタイムでぜひ最寄りのスクールを検索してみてください。学びたい言語やエリア、学習方法などからスクールを簡単に検索できます。自分にぴったりのスクールを見つけて、効率的にフレームワークを学びましょう。