初心者必見!VBAでマクロを学ぶおすすめ勉強方法を解説

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初心者必見!VBAでマクロを学ぶおすすめ勉強方法を解説

Excelなどで業務の自動化・効率化をするには、プログラミング言語であるVBAの知識が必要です。

VBAはもともと、Microsoftが開発したプログラミング言語「Visual Basic」の派生として誕生しました。Visual Basicよりは簡易化されているものの、VBAの習得にはプログラミングの勉強が欠かせません。

今回はVBAやマクロを始めたい方に向けて、VBAとはそもそも何なのかや基本的な文法、おすすめの勉強方法などを徹底解説します。


この記事でわかること
  • VBAの基本的な特徴やマクロとの違い、他のプログラミング言語との連携について解説
  • 文法や構造、キャリア活用や独学・スクール学習の方法まで幅広く紹介

VBAとは?初心者向けの基本解説

VBAとは?初心者向けの基本解説

VBAとは、Microsoft Office製品全般で使用できるプログラミング言語です。「Visual Basic for Applications」の頭文字を取った略称であり、「ブイビーエー」と読みます。

VBAは、Office製品の中でも特にExcelやAccessといった表計算・データベース管理アプリケーションのデータ処理を自動化させるために使用します。VBAでコードを記述することにより、データの集計・転記やドキュメント作成といった日常的な作業の効率化を図ることが可能です。

Excel・Accessなどを普段使う方にとって、VBAは作業効率を大きく向上させる強力なツールです。

マクロとVBAの関係性と違い

マクロとVBAの関係性と違い

ExcelやAccessの自動化では「マクロ」という機能も使用します。マクロとVBAは同じ場面で使われることが多く、混同することも多い単語です。

そもそもマクロとは、アプリケーション内で行われる一連の操作手順やタスクを記録し、必要なときに再生させられる機能のことです。ExcelやAccessはマクロ機能を使用することで、操作手順の自動化が実現できます。

一方でVBAは、ExcelやAccessで使用するマクロを作成・実行するためのプログラミング言語のことです。

マクロとVBAの関係

VBAは自動化を行うコードを作るための言語であり、マクロはVBAコードを動かすためのスクリプトです。関係性としては、アプリケーションの機能であるマクロの中で、VBAコードが動作している形となっています。

Excelなどの業務を効率化したいなら、マクロとVBAの違いと関係を理解することが第一歩です。

Excelなどの自動化を目的としたとき、実際に使用する機能はマクロです。VBAはあくまでもコード作成用のプログラミング言語であり、VBAのみで自動化が実現できるわけではありません

なお、VBAコードを作成するための編集エディタは「VBE(Visual Basic Editor)」と呼ばれます。

マクロとVBAの違い

マクロで行える自動化の方法には、VBAコードを使用しない「マクロの記録」があります。

マクロの記録は、アプリケーション内で行われたほとんどすべての操作を記録する機能です。単純な操作であれば簡単に自動化ができるメリットがあります。

しかし、マクロの記録はすべての操作を記録するため、複雑な手順の自動化には向きません。

対してVBAによる自動化では、VBAを使用したコードの記述によってマクロで再生したい処理を決められます。柔軟性が高く、カスタマイズが可能である点などがVBAのメリットです。

また、マクロの記録は初心者でも使えるものの、VBAにはプログラミング知識が必要であるという違いもあります。

VBAと他のプログラミング言語の組み合わせ

VBAと他のプログラミング言語の組み合わせ

VBAは、作成するコードに処理の条件分岐などを含めることができ、データ分析に強い柔軟性があります。

さらに、ほかのプログラミング言語と組み合わせることで、分析や自動化処理の幅を広げることが可能です。

複雑なデータ処理を行いたい方は、VBAに他の言語を組み合わせる活用法も検討しましょう。

ここでは、VBAと相性の良い代表的なプログラミング言語を2つ紹介します。

Pythonとの連携

Pythonは、自動化やデータ分析に優れた汎用プログラミング言語です。「openpyxl」や「xlwings」などのライブラリを使うと、VBAと連携して多様な処理が行えます。

たとえば、Excelに入力されたデータをPythonで読み取り、自動的にグラフやレポートを作成するといった作業も可能です。

Pythonの柔軟性を加えることで、VBA単体では実現しづらい高度な分析や出力処理もカバーできます。

JavaScriptとの連携

JavaScriptは、Webアプリケーション開発に広く用いられる言語です。Webで扱うデータをJavaScriptで整形し、VBAと連携させることで、Excelなどにリアルタイムで出力する仕組みを構築できます。

Webと連携したデータ活用をしたい方には、VBAとJavaScriptの組み合わせが最適です。

たとえば、ECサイトの売上データを自動取得し、Excelに転記・分析するような活用が挙げられます。

VBAの基本文法

VBAでマクロを実行するには、VBAの使い方を把握する必要があります。VBAはプログラミング言語であるため、基本文法やコーディングのルールを守ってコードを作成しましょう。

ここからは、VBAの使い方やコーディングの基本を紹介します。

VBAエディタの開き方

マクロの作成・編集に必要なVBAエディタ(VBE)は、下記の流れで開きます。

●Excel(Excel2010以降)の場合


  1. リボン(ウィンドウ上部の枠)の「ファイル」をクリックする
  2. 「オプション」から「リボンのユーザー設定」をクリックする
  3. プルダウンで「メインタブ」を選び、「開発」にチェックを入れる
  4. リボンに追加された「開発」を選び、「Visual Basic」をクリックする

●Accessの場合


  1. リボンの「作成」をクリックする
  2. 「マクロとコード」グループの「Visual Basic」をクリックする

変数とデータ型

VBAで変数を使う場合は、下記のような形式で変数を宣言します。

Dim 変数名
変数名=1000

上記の宣言は、以降の処理で「変数名」の部分に「1000」を代入します。

また、下記の形式で変数のデータ型を指定することも可能です。

Dim 変数名 As データ型

データ型を使うと、変数で扱う値の種類や大きさを指定できます。

主なデータ型を4つ紹介します。

データ型の名称扱える値の特徴
Integer-32768~32767の整数
String最大で約20億文字の文字列
Double小数点を含む桁数が非常に大きい数字
Variantすべてのデータ型

型を正しく使い分けることで、エラーの少ない効率的なコードが書けます。

制御構造

データの処理手順を決める制御構造には、処理を順番に進める「順次」のほかに、「条件分岐」と「ループ」の2つがあります。

●条件分岐

条件に応じて処理を分岐させる構造です。代表的な構文には「If...Then...Else」(もし~であれば〜する)があります。

●ループ

処理を繰り返し実行する方法です。代表的な構文には「For...Next」や「Do...Loop」があります。

関数とサブルーチン

VBAではユーザー自身が作成した関数である「ユーザー定義関数」を扱えます。

基本形はSubプロシージャを使って記述します。

Sub 関数名(1)
処理内容
End Sub

また、関数のようにメイン処理から呼び出される別の処理は「サブルーチン」と呼びます。

サブルーチンを使う際は「Call ステートメント」で呼び出します。

Call 関数名(1)

オブジェクトとコレクション

ワークシートやセルといったExcelオブジェクトを指定するには、以下のように記述します。

Workbooks(“Book1.xlsm”).Worksheets(“Sheet1”).Range(“A1”).Select

このコードは「Book1」の「Sheet1」の「A1セル」を指定します。

「Workbooks」や「Worksheets」のように、同種のオブジェクトをまとめたものをコレクションと呼びます。

複数のデータを一括処理したい場合、コレクションの理解は欠かせません。

コーディングルールとベストプラクティス

●変数の命名規則

変数名は「意味のある名称」を付けて可読性を高めましょう。重要な変数ほど読みやすさを優先し、不要な冗長性は避けます。

●コメントの活用

文頭に「’」を付けると、その行はコメントとして扱われます。処理の意図や注意点を記述しておくと、後からの修正や他人の理解が容易になります。

●エラーハンドリング

プログラム中のエラーは「On Error」ステートメントで処理します。
例:「On Error GoTo」「On Error Resume Next」などを使い、意図的に処理を分岐させることで、安全性を確保します。

ルールに沿った記述は、バグを防ぎ、チームでの開発効率も向上させます。

VBAがもたらす国際的キャリアの可能性

VBAがもたらす国際的キャリアの可能性

ExcelやAccessといったOffice製品は、日本企業はもちろん海外の企業でも広く使われています。VBAはOffice製品全般で使えるため、VBAのスキルは国際的なキャリアチャンスを拓くきっかけになり得るでしょう。

また、VBAは国際的な企業の業務効率化や、国際取引での通貨・税率計算ツールにも使用されているプログラミング言語です。VBAのスキルを持っていれば、勤務先企業の事業発展や自身の転職に伴って活躍の場が広がる可能性もあります。

VBAの勉強方法

VBAの勉強方法は、主に下記の3通りがあります。

  • 書籍や動画を活用してコストをかけずに学ぶ
  • 関連資格の取得を目指して勉強する
  • VBAに関するコースのあるITスクールに通う

「書籍や動画を活用してコストをかけずに学ぶ」は、独学での勉強方法です。VBAを取り扱う書籍やWebページは多く、独学でもある程度の知識を学べます。

「関連資格の取得を目指して勉強する」は、資格取得を目的とした勉強方法です。目標を定めて学習できる点や、学習成果が資格として形に残る点がメリットです。

「VBAに関するコースのあるITスクールに通う」は、通学型の学習方法です。
講師の指導を受けながら、業務で活用できる実用的なVBAスキルを習得できます。



VBAを独学する難しさ

VBAの勉強方法には独学もあるものの、実際にはVBAを独学で学ぶことは簡単ではありません。インターネット上にはVBAに関する情報が膨大に存在しており、信頼できる情報を精査する難易度が高いためです。

また、独学の場合は基礎的な内容を学ばないまま応用に進んでしまう可能性があり、理解が進みにくいことがあります。

エラーやバグの原因を自力で突き止めるのが難しく、独学では挫折しやすいという声もあります。

VBAを学べるITスクールのメリット

VBAを学べるITスクールのメリット

専門講師のもとで体系的に学習が進められるITスクールの利用がおすすめです。

VBAを学べるITスクールのメリットを3つ紹介します。

段階的に実践的な内容を学べる

ITスクールはプログラムで学ぶ順序が決まっていて、段階的に実践的な内容を学べるようになっています。VBAに初めて触れる方も、自分のレベルに合わせた内容で学習を進めてステップアップが図れます。

専門の講師からフィードバックをもらえる

VBAを学べるITスクールには専門の講師が在籍していて、豊富な知識量で学習をサポートしてくれます。作成したコードのチェックをして、記述方法についてフィードバックをもらえる点がメリットです。

同じ目標を持つ仲間と交流できる

ITスクールは、同じようにVBAの講座を受講する仲間と交流できる場でもあります。お互いに刺激を受けながら学び、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。

VBAを学べるITスクールに通うステップ

VBAを学べるITスクールは、下記のポイントを押さえて選びましょう。

  • 専門講師によるVBA講座があるか
  • 通学タイプ(オンライン・通学)は自分に合っているか
  • 受講料は予算内に収まるか
  • 受講にかかる時間を確保できるか

ITスクールの選び方については、下記のページで詳しく解説しています。


転職・副業したい方におすすめ!ITスクールの選び方や注意点を解説

【これが結論】ITスクールの適切な通学タイプ(オンライン・通学)は性格で決めるべき!


通いたいITスクールの候補をいくつかピックアップしたあとは、無料カウンセリングや無料体験を受けてみるのも大切です。


初心者必見!VBAの勉強方法 まとめ

VBAは、Excel・Accessなどのデータ処理を自動化するマクロが作成できるプログラミング言語です。VBAは記述するコードによってマクロの処理内容を決められる柔軟性があり、他プログラミング言語と連携できる拡張性の高さもメリットとなっています。

VBAでマクロを作成するには、VBAの基本文法やルールについての理解が欠かせません。記事で紹介した内容以外にも、VBAにはさまざまな文法や守るべきルールがあり、マスターするには体系的な学習が必要となります。
VBAを詳しく知りたい、業務で使えるレベルで学びたい場合はITスクールへの通学を検討しましょう。

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