Webを活用したマーケティング活動を実施するWebマーケターには、独立してフリーランスで働く選択肢もあります。フリーランスは、自由に働けるとして注目されている働き方である一方、自身で案件を獲得しなければいけないため、仕事量や収入は不安定になる点に注意が必要です。
今回は、フリーランスのWebマーケターを志す方に向けて、案件例やフリーランスになるメリット・デメリット、未経験からWebマーケターになる方法や案件獲得方法などを解説します。
Webサービスを駆使して集客する活動を、Webマーケティングといいます。主に、企業や個人のWebサイト・SNSに誘導し、商品やサービスを購入してもらえるよう促します。
こうしたWebマーケティングを担当し、さまざまな施策を考えるのがWebマーケターです。そして、企業に属さず独立して活動している方を、フリーランスのWebマーケターと呼びます。
フリーランスWebマーケターの仕事は、戦略の立案や実行、結果の分析など多岐にわたります。一口にWebマーケターと言っても、SEOマーケターやSNSマーケター、広告プランナーなど、仕事に応じて職種は細かく分かれています。
フリーランスのWebマーケターにはさまざまな仕事がありますが、いずれかの仕事に特化しているケースが多いです。ここでは、代表的な5つの案件例とその概要を紹介します。
広告運用とは、リスティング広告やSNS広告といったWeb広告の効果を高められるよう、配信先や設定内容などを決定する仕事のことです。広告をクリックしてもらい、購買や資料請求といったコンバージョンを得られるように、広告を運用します。
広告は、目的や予算、顧客のニーズを考慮しながら運用する必要があります。広告効果を高めるためには、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを意識して施策を継続することが重要です。
Webサイトのディレクションとは、Webサイト制作の指揮を執り進捗管理をし、制作チームと顧客間の仲介をすることです。顧客のニーズを把握してWebサイトの全体像を決定し、制作チームに指示を出します。Webサイト制作に関する幅広い知識のほか、スケジュール管理やコンテンツの品質管理など、管理能力が求められます。
データ分析とは、KGI(経営目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)を達成できるよう、Webマーケティング施策の効果を測定・分析し、改善策を考える仕事です。Webサイトのページビュー数やコンバージョン率、ユーザー属性や流入経路などのデータを取得し、分析します。
データ分析の結果はグラフにして可視化する場合が多いため、データ分析能力のほか、グラフ作成能力もあると良いでしょう。
SNS運用とは、企業が運用するSNSアカウントのフォロワーを増やしたり、いいねやシェアを獲得したりするための施策を講じる仕事のことです。多くのユーザーに見てもらえるよう、投稿内容や投稿時間帯を工夫する必要があります。検索されやすいタグや文章を考えるのも重要です。
SNSアカウントの立ち上げから関与する場合は、ターゲットやペルソナ(ターゲットに当てはまる具体的な人物像)設定も担当する可能性もあります。
Webマーケターの平均年収は、正社員では596万円(2023年7月5日現在)と日本の平均年収約458万円と比べると高めの水準であるとわかります。
フリーランスの場合は、特に引き受ける案件や仕事量などによって大きく年収が異なります。本格的に稼働すれば、年収600万円以上を狙える可能性も高く、中には1,000万円以上稼ぐフリーランスのWebマーケターも存在します。
単価相場は、もちろん案件によって大きく異なりますが、月額50〜90万円前後が多いようです。
Webマーケターの平均年収は?未経験から1,000万円稼ぐ方法も解説
Webマーケターがフリーランスとして独立するメリットは、以下のとおりです。
一方、Webマーケターがフリーランスとして独立する際は、以下のようなデメリットもあります。
未経験からフリーランスのWebマーケターになるのは、不可能ではありません。しかし案件を獲得する際に、Webマーケターに必要な知識やスキル、実務経験が求められるケースは多いです。そのため、いきなり独立するのではなく、知識やスキル、経験を身につけることから始めましょう。
ここでは、未経験からフリーランスのWebマーケターになる、3つの方法を解説します。
まずは、Webマーケティングに必要な知識やスキルを身につけましょう。具体的には、マーケティングに関する基本的な知識やWebサイト構築スキル、データ分析スキル、ロジカルシンキングなどが必要です。
まずは、本や動画などを活用してスキルを習得するのも良いでしょう。独学が不安な方は、ITスクールを利用して効率的に学ぶのもおすすめです。
フリーランスとして独立する前に、副業で案件を受注してみましょう。未経験の場合は、自身がWebマーケターに向いているかわからない場合も多いです。試しに案件に取り組み、適性があるか判断してから独立しても遅くありません。さらに、実務経験を多く積む事で信頼性が上がり、独立後に案件を獲得しやすくなるでしょう。
まずは副業で実務経験を積み、Webマーケターに向いているかを見極めてみてください。
独立の準備が整ったら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、個人事業主になりましょう。新規開業の場合は、事業開始日から1ヶ月以内に開業届を提出する必要があります。開業手続きには特別な費用は必要ありません。
フリーランスのWebマーケターが案件を獲得する方法には、大きく4つの選択肢があります。多くの案件を獲得するためには、4つを組み合わせるのが効果的です。ここでは、それぞれの案件獲得方法の特徴とメリットなどを解説します。
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい顧客と、仕事を引き受けたいワーカーをマッチングさせるサービスです。フリーランスの主な案件獲得方法として、広く使われています。さまざまな案件が掲載されているため、ニーズにあったものを選びやすいのが特徴です。中には、未経験でも取り組める案件や、高単価な案件が掲載されているケースもあります。
手数料が発生する場合が多い難点ですが、案件数の多さは大きな魅力です。案件獲得に慣れていない方でも、安心して仕事をスタートすることができるでしょう。
フリーランスエージェントとは、希望や経験、スキルに応じた案件を紹介してくれる、フリーランス専用のサービスです。クラウドソーシングサイトと異なり、エージェントが手厚くサポートしてくれるため、案件の獲得につながりやすいのが魅力です。一人ひとりに合った案件を紹介してくれるため、納得のいく受注が実現しやすいのもメリットです。普通ではあまり出会えないような案件を、紹介してもらえる可能性もあります。
仲介手数料が発生する場合がほとんどですが、自分で営業するリソースがない方に適しています。
前職の知人や過去の顧客、友人などから案件を紹介してもらう方法もあります。顧客の信頼が既にある状態でスタートできるため、受注までスムーズに進む可能性が高いでしょう。仲介を通さず直接の取引となるため、手数料が発生しないのもメリットです。
案件が継続していけば信頼関係が築きやすくなり、顧客の紹介でさらに新しい案件を受注できる場合もあります。
しかし、仲介が入らないため、契約の内容には注意が必要です。自分にとって不利な契約にならないよう、単価や稼働時間などに関して細かく定めたうえで、交渉・締結する必要があります。
最近では、SNSを活用して案件を獲得する方も増えています。TwitterやInstagramなどのSNSを活用して自身の実績をアピールすると、投稿を見た顧客から依頼がくるケースがあります。必ずしも受注につながるとは限りませんが、コストをかけずに自分を売り込めるのがメリットです。
SNSを活用する際は、定期的な情報発信が欠かせません。コンスタントに稼働していることが伝われば、案件を獲得しやすくなります。アカウントを目にした顧客に見てもらえるよう、プロフィールに実績をまとめたポートフォリオも掲載しましょう。
Webマーケターとして独立したい方の中には、Webマーケターの需要や将来性を不安に思っている方も多いでしょう。結論、Webマーケターは、将来性がある職業といえます。
インターネット利用者は、毎年右肩上がりで増えており、今後もWebサービスの需要が高まっていくと考えられます。そのため、Webマーケティングの知識やスキルを持った人材獲得へのニーズはこれからも高まっていくでしょう。
Webサービスの運用を担当するWebマーケターには、フリーランスとして独立する選択肢もあります。自由に働ける反面、収入を得続けるためには、自身で案件を獲得しなければならないためストレスも多いでしょう。特に、未経験からフリーランスのWebマーケターを目指す場合は、必要な知識やスキルを身につけたり、独立前に副業で実務経験を積んだりすると良いでしょう。
必要な知識やスキルを効率よく習得するためには、ITスクールを活用するのも1つの方法です。フリーランスで活躍できるWebマーケターを目指して、スキルアップに取り組んでみてはいかがでしょうか。