データサイエンティストの転職について解説!必要なスキルや資格は?

データサイエンティストの転職について解説!必要なスキルや資格は?

インターネット上のビッグデータを分析し、ビジネスに活用していく職業がデータサイエンティストです。データサイエンティストの仕事は、企業のマーケティング戦略の構築や顧客満足度アップ、業務効率化を図る効果があります。そのため、ビジネスの改善を目指す企業からの需要は、年々高まっています。

本記事では未経験でデータサイエンティストを目指す方に向け、必要なスキルや資格を紹介していきます。また、需要がある業界と平均年収についても具体例を挙げているので、転職する際に知っておくと良いでしょう。自身の希望と照らし合わせて参考にしてください。

データサイエンティストの知識を深め、転職を有利に進めていきましょう。

データサイエンティストの需要が高い業界7つ

データサイエンティストの需要が高い業界7つ

データサイエンティストのスキルは広告、製造、金融、不動産、電力、化学などさまざまな業界で活かすことができます。これはAIやIoTの発達により、各業界でビッグデータの分析ができるデータサイエンティストの需要が高まっているためです。

ここでは、データサイエンティストの需要が特に高い7つの業界を紹介します。

データサイエンティストの仕事内容については、下記記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。

▶ データサイエンティストの仕事内容|他エンジニアとの違いは?


業界1:広告


広告業界では、ユーザーの属性データやサイトへのアクセスログなど、さまざまなデータを組み合わせてビッグデータとしてまとめます。データサイエンティストは、ビッグデータをもとに顧客が興味を持ちやすい広告や、効果の高い広告の掲載場所を考えるのが主な役割です。

近年では、IT技術の進歩でより細かいデータが取得できるようになったため、広告業界でのデータサイエンティストの需要が高まっています。集めたデータをもとに優れたマーケティング戦略を提案できれば、データサイエンティストとして高く評価されるでしょう。

業界2:製造


製造業は、現場の自動化やDX化が他業種と比較して遅れていたため、急ピッチで技術の導入を進めています。そのため、生産管理や受発注などにおいて、的確な提案ができるデータサイエンティストの需要が高まっているのです。


また、製造業ではAIやIoTによるスマートファクトリー化で、生産ラインで発生する課題の見える化と解決が図られています。データサイエンティストとしての専門知識だけでなく、開発現場と密にやりとりするコミュニケーション能力の高さも必要です。

業界3:金融


金融サービスと情報テクノロジーを組み合わせたFinTech(フィンテック)の導入により、データサイエンティストの需要が高まっているのが金融業界です。

金融業界では、ビッグデータを業務効率化や商品の開発に活用しており、与信審査の短縮化、資産運用向けロボアドバイザーの開発に役立っています。

また、クレジットカードの決済データやSNSからビッグデータを収集し、マーケティングに活用するスキルにも注目が集まっています。ビッグデータをもとに、景気や市場を俯瞰して分析できる能力があると、金融業界で活躍できるでしょう。


業界4:不動産


不動産とテクノロジーを融合させた、いわゆる「不動産テック」を進めている不動産業界は、データサイエンティストの需要がある業界の1つです。

不動産業界の仕事には、過去データをもとに不動産の査定価格を決めたり、価格推移のデータ提供をしたりするものがあります。また、集約したデータから顧客に合った物件を紹介できるようになれば、営業担当の負担軽減や業務効率化が期待できます。

このような理由から不動産業界でも優秀なデータサイエンティストを必要としているのです。


業界5:電力


電力業界では、稼働の効率アップと安全を守るために、データを活用できるデータサイエンティストが必要とされています。発電所の稼働状況を把握して正常時と異常時のデータを蓄積しておき、事故を未然に防ぐための対策を立てるのも仕事の一つです。


業界6:化学


原料の状態変化を予測したり、製造のための必要なモデルを構築したりするのが化学業界でのデータサイエンティストの主な仕事です。化学プラントで起こる原料の反応や分離などにおけるモデルデータが有効活用できると、業務の効率化やコスト削減につながります。

このことから、化学業界では化学に関する専門知識を持ち、多面的かつ本質的なデータ解析をする能力が求められます。化学製品は種類が多いため、求められる専門知識の量が膨大であることも特徴です。

業界7:コンサルティング


コンサルティング業界では、顧客の営業支援やマーケティング、企画の提案などに必要なさまざまなデータを収集するのがデータサイエンティストの役目です。そのため、集めた膨大なデータをビッグデータとして解析し、最適な提案ができるスキルのある人材の需要が高くなっています。

IT環境の整備が進んだ今日では、コンサルティングを支援する役割としてもデータサイエンティストの重要性が増しています。

データサイエンティストの平均年収は699万円

「求人ボックス」によると、データサイエンティストの正社員の平均年収は699万円(2023年7月5日現在)と国税庁による日本の平均年収458万円と比較してもかなり高いといえます。さらに経験を積むことで、収入1,000万円以上も期待できる職業です。

ただし、勤務先によって429〜1,199万円と年収の幅が大きいのがデータサイエンティストの特徴でもあります。高年収を目指すのであれば、自身のスキルを磨き、マネージャー職などの管理職系を志すとよいでしょう。


データサイエンティストへの転職に向いている方の特徴

データサイエンティストへの転職に向いている方の特徴

データサイエンティストに転職するには、機械学習に関する知識やプログラミングスキルが必要です。また、意外に感じるかもしれませんが、高いコミュニケーション能力も求められます。

データサイエンティストに向いている方の特徴を事前に把握し、転職を有利に進めていきましょう。

特徴1:機械学習に関する知識を深めてきた方


データサイエンティストは、収集したビッグデータを専門知識や分析力を用いてビジネスに活用していく職業です。

複雑なデータを分析するためには、人間の知能だけではカバーしきれないことがあります。そのため、機械学習による統計手法の最適化など、深い専門知識を身につけている方ほど活躍しやすい傾向にあります。

データサイエンティストを目指したいが、機械学習の知識がないという方は、統計学やデータ解析に関する学習をするとよいでしょう。

特徴2:Pythonなどに関するプログラミングスキルがある方


データサイエンティストは、データ分析をする仕事が中心です。しかし、機械学習に用いられるPythonをはじめ、プログラミングの専門知識も求められます。実務を進めるうえで、プログラミングスキルが必要な場面が多いため、転職に向け基本的な知識は身につけておきましょう。

特に学んでおきたいプログラミング言語は、統計や機械学習に必須の「Python」とデータ解析向けの「R言語」です。プログラミングスキルが高ければ、分析のベースとなるデータ収集についても能力が発揮できます。

特徴3:コミュニケーション能力が高い方


データサイエンティストの仕事は、専門的で複雑な分野の仕事です。しかし、データを活用するためには、専門知識のない顧客へ向けて、わかりやすい提案をしなければなりません。難しい専門用語を簡潔に伝えるためには、高いコミュニケーション能力が必要です。

コミュニケーション能力は、日々の努力で身につけられるスキルです。相手の話をしっかり聞く、さまざまなタイプの方と関わりを持つなどを意識しながら、少しずつ能力をアップさせていきましょう。

データサイエンティストへの転職に有利な資格5選

データサイエンティストへの転職に有利な資格5選

データサイエンティストへの転職を目指す方は、統計やデータ解析、プログラミングなどの資格があると有利です。未経験の方は、基本情報処理技術者試験などの基礎的な資格の取得から始めるとよいでしょう。

資格は知識や技術の証明となるため、転職活動でのアピール材料としても効果的です。

資格1:基本情報処理技術者試験


基本情報処理技術者試験は、経済産業省が認定した国家試験で、13種類の区分に分かれている情報処理技術者試験の1つです。情報処理技術者試験のなかで、最も初級的な位置づけにあるのは「ITパスポート試験」ですが、データサイエンティストを目指すのであれば、プログラミング言語も出題される「基本情報処理技術者試験」は取得しておきたいところです。

基本情報処理技術者試験は、ITに関する基礎的な内容が選択問題で出題されるため、比較的合格しやすい資格といえます。



基本情報技術者試験
運営 IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:25%前後
未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある
合格ライン
60点以上/100点満点
受験方法
CBT
随時

(参考:基本情報技術者試験ドットコム


資格2:Python3エンジニア認定基礎試験


Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験です。データサイエンティストとして活躍する際に必須となる、機械学習に用いられるプログラミング言語「Python」に関する知識を問われます。

本試験はきちんと勉強すれば、プログラミング初心者でも合格可能な難易度です。プログラミング未経験の方にも、挑戦しやすい資格といえるでしょう。



Python3エンジニア認定基礎試験
運営 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会a>
受験料(税込)
11,000円
難易度
合格率:約80%
合格ライン
正答率:70%以上
受験方法
CBT
級によって会場・日程は異なる

(参考:日本資格取得支援 Python3 エンジニア認定基礎試験


資格3:データベーススペシャリスト試験


データベーススペシャリスト試験は、基本情報処理技術者試験と同じく、13種類の区分に分かれている情報処理技術者試験の1つです。データベースに関しての要件定義や開発、保守・運用に至るまで幅広くかつ、高度な専門知識が問われます。そのため、合格率が20%以下と難易度が高い試験といえるでしょう。

初心者には取得が難しいため、ある程度知識を積んでから挑戦するのがおすすめです。難易度が高い資格のため、資格を保持していれば転職の際にも有利になります。



データベーススペシャリスト試験
運営 IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:15%前後
合格ライン
午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱすべてにおいて100点満点中60点以上
受験方法
CBT
年1回

(参考:データベーススペシャリスト試験


資格4:統計士・データ解析士


統計士・データ解析士は、一般財団法人の実務教育研究所が実施している資格です。それぞれ指定の講座を受講し、通信教育形式のカリキュラムを終えると資格が取得できます。

統計学や数学に関する専門知識がなくても、受講しながら知識を身につけられる内容になっているため、初心者の方でも安心して学習できます。データサイエンティストに必要な、データ分析・提案のための基礎的なスキルを身につけましょう。



統計士・データ解析士
運営 一般財団法人実務教育研究所
受験料(税込)
統計士(現代統計実務講座):60,140円
データ解析士(多変量解析実務講座):54,840円
※入学金5,000円を含む
難易度
合格率:非公開
合格ライン
正答率:非公開
受験方法
講座受講後、テストを実施


資格5:統計検定


統計検定は、統計学に関する基礎知識が習得できる資格です。資格は1級〜4級に分かれているのが特徴で、統計学のスタンダードな資格と認識されています。

統計士・データ解析士が講座受講で取得できる資格なのに対し、統計検定は専門的なデータの分析手法などを学ぶ検定です。データサイエンティストに必要なデータの活用を身につけたい方は、統計検定に挑戦しましょう。



統計検定
運営 一般財団法人統計質保証推進協会
受験料(税込)
4級:5,000円
3級:6,000円
2級:7,000円
準1級:8,000円
1級:12,000円
難易度
4級合格率:72.8%
3級合格率:75.6%
2級合格率:34.1%
準1級合格率:23.6%
1級合格率:(統計数理)25.8%、統計応用)24.0%
合格ライン
4級:60点以上
3級:65点以上
2級:60点以上
準1級:60点以上
1級:ー
受験方法
受験会場で年2回実施

(参考:統計検定公式サイト「受験データ」※合格率は2021年の結果から算出)

データサイエンティストへの転職に向いている企業の特徴2つ

データサイエンティストへの転職に向いている企業の特徴2つ

高度なスキルを持っているデータサイエンティストは、どの企業でも需要が高いです。そのなかでも転職に適した企業の特徴を知っておけば、データサイエンティストとして働きやすい職場を見つけられます。

特にデータ重視の経営文化がある企業や、DXを推進する企業に転職できれば、データサイエンティストとして活躍しやすいでしょう。


特徴1:データを重視した経営文化をもつ企業


企業のなかにはデータを信用せず、いまだに人の知識や技術に頼っている企業もあります。このような企業では、データよりもこれまでの経験を重視することが多いため、データサイエンティストの意見は通りにくいかもしれません。

一方、データを重視して経営方針を決める文化を持つ企業であれば、データサイエンティストが活躍できる機会は多いでしょう。

特徴2:DXを推進している企業


DXを推進している企業は、データによる仕組みづくりで、業務の効率化を図りたいと考えています。データサイエンティストは、データを収集する基盤の構築から運用まで多岐の業務で必要とされるため、自然と活躍の場は多くなるでしょう。

また、このようなデータサイエンティストの需要の高い企業であれば、年収など待遇面も期待できるといえます。

まとめ:データサイエンティストへの転職を目指そう

データサイエンティストへの転職について、需要の高い業界や向いている方の特徴、おすすめの資格などを解説しました。

データサイエンティストは専門知識が必要な職業のため、知識をつけ、経験を積む努力が必要です。積極的に情報を集めたり、資格取得のために勉強を始めたりして、転職を有利に進めましょう。

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