データサイエンティストの平均年収はいくら?高年収の秘訣も紹介

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データサイエンティストの平均年収はいくら?高年収の秘訣も紹介

データサイエンティストは、近年のIT化やDXの加速に伴い、ますます需要が高まっている職種です。有効求人倍率が2.77倍と高く、就職・転職先の候補として考える方もいるでしょう。

そこで今回は、データサイエンティストの最新年収事情や属性・業務内容別の平均年収、副業事情や今後の見通しについて解説します。求められるスキルや未経験からデータサイエンティストになる方法も紹介するため、高収入を目指す方はぜひ最後までお読みください。

データサイエンティストとは

データサイエンティストとは

データサイエンティストは、大量のデータから有用な情報を引き出し、ビジネスや研究に生かす専門家です。主にプログラミング言語を使ってデータを分析し、その結果をもとに戦略を考えたり、新しい製品やサービスの開発に貢献したりする役割があります。データの前処理・統計分析・機械学習のモデル構築、データの可視化などが主な仕事です。

データサイエンティストはIT企業だけでなく、製造業・医療・金融などさまざまな業界で求められています。近年ではデータがビジネスにおいて、より重要な要素となっているため、データサイエンティストの需要は高まっている状況です。専門性が高く、多くのスキルと知識が必要ですが、それに見合った収入も期待できます。


データサイエンティストの最新年収事情


データサイエンティスト協会が2022年に実施したアンケートに基づくと、データサイエンティストの2022年の平均年収は839万円です。その中でも1,000万円を超える年収を手にしている方の割合が高く、頑張り次第でかなりの高収入を得られる職業だと言えます。

データ参照元は異なりますが、日本人全体の平均年収は458万円という統計結果が出ており、データサイエンティストの年収は高収入と言えることがわかります。

(参照:令和4年分国税局民間給与実態統計調査

【年齢・男女・地域別・業種別】データサイエンティストの平均年収

【年齢・男女・地域別・業種別】データサイエンティストの平均年収

同じデータサイエンティストでも、年収に大きく差がでる場合があります。

ここではデータサイエンティストの平均年収について、以下の4つの視点から紹介します。


  • 年代による違い
  • 性別による違い
  • 働く地域における違い
  • 担当業務における違い


それぞれ年収にどのような差があるのか、求人サイトの情報をもとに解説していきます。

データサイエンティストのなかでも、高年収を狙うためにはどうすればよいのか見ていきましょう。


年代による違い


データサイエンティストは実力主義と言われていますが、年代の違いで年収差はあるのでしょうか。
以下の表にて、年代別の平均年収を確認してみましょう。

データサイエンティストの平均年収の推移

(参照:職業情報提供サイトjobtag


データサイエンティストの年収は、日本の年功序列式が見て取れます。経験を積んで高いスキルを習得したとされる30代後半以降に、大きく年収が上がるのも一つの特徴です。


性別による違い


データサイエンティストの年収は性別で差があるのか、以下の表で比較しましょう。


男女の平均年収の比較

(参照:doda 平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】)


ほかの職種と同様に男性の平均年収の方が高く、性別による違いがあることがわかります。

またIT業界全体の平均年収に対して、データサイエンティストの平均年収は男女ともに70万円ほど高い傾向にあります。データサイエンティストは、女性の年収もIT業界全体の平均より高い水準に位置しており、IT業界のなかでは男女ともに高年収の職種と言えるでしょう。


働く地域における違い


働く地域により、データサイエンティストの年収に差はあるのでしょうか。


地域別データサイエンティストの平均年収

(参照:求人ボックス ※2023年10月31日現在)


東京の平均年収は700万円台である一方で、東京以外の地域では600万円台と地域差もあります。そのため、高年収を狙うのであれば、東京の企業へ転職するのも一つの手段です。

担当業務における違い


企業によって、データサイエンティストの業務範囲は異なります。

以下の表に、データサイエンティストを担当業務別に分けた場合の平均年収についてまとめました。


担当業務別データサイエンティストの平均年収

(参照:求人ボックス ※2023年10月31日現在)


担当業務が異なると、平均年収に差が生まれることがわかります。
データサイエンティストに転職する際には、業務内容にも着目するとよいでしょう。

データサイエンティストの業務や役割

データサイエンティストの業務や役割

データサイエンティストは、以下のような複数業務を担当します。


主な業務内容業務概要
データ収集業務システム等から必要な情報を収集する
データ分析主にAI技術を用いて分析する
モデリング・効果検証適切な分析方法を探索し、効果検証を繰り返す
サービス実装・レポート作成データを収集し、活用する仕組みを作る
分析結果のレポートを作成する


データサイエンティストはデータを分析する業務に加え、地道なデータ収集や開発業務まで幅広い業務に携われる点が魅力です。


データサイエンティストの副業事情

データサイエンティストの副業事情

データサイエンティストは高度なスキルを持つ貴重な人材ですが、需要が高い一方で供給が追いついていない状況です。特にデータサイエンスに力を入れている企業では、自社内の人材だけでは賄い切れず、外部委託に頼っているケースが少なくありません。そのため、副業のチャンスが広がっています。

データサイエンティストが副業を選択する最も大きな理由としては、「収入の増加」が挙げられます。

企業勤めの場合、本業での年収アップが思うように行かないことは珍しくありません。副業であれば昇給や昇進の機会を待つまでもなく、必要なときに必要なだけ稼ぐことができます。加えて、データサイエンティストは専門性が高く、副業と言えども比較的単価の高い仕事が多い点も魅力です。

さらに、自分のスキルや経験に見合った案件を選びやすく、多様な案件を請け負うことができる点もメリットと言えるでしょう。本業ではチャレンジさせてもらえないプロジェクトに参加できるケースも多く、スキルアップやキャリアアップにも非常に有効です。将来、独立を考えている方にとっても、よい足掛かりとなるはずです。

データサイエンティストが選べる副業案件は多岐にわたりますが、以下のような仕事内容が代表的です。

  • データ分析

  • AI開発
  • Web開発
  • プログラミングスクール講師
  • 技術顧問

高度なスキルを持つデータサイエンティストは、専門業務に特化して短時間で業務を完了できるため、本業に差し支えることなく副業に取り組めるでしょう。

上記の案件の中でも、データ分析はデータサイエンティストの副業募集によく見られる分野です。収入はプロジェクトの規模やスキルレベルによりますが、稼働日数が週3日以内の場合、月65万〜95万円が相場です。


データサイエンティストになりたい方が持つべきスキル

データサイエンティストになりたい方が持つべきスキル

データサイエンティストは幅広い業務に関わるため、複数のスキルが必要です。
ここでは、データサイエンティストになりたい方が持つべき3つのスキルを紹介します。


  • データを正しく扱う能力
  • 統計学・数学の応用力
  • 高いコミュニケーション能力

未経験からデータサイエンティストを目指す場合、上記のスキルがあれば十分活躍できる可能性があります。

データサイエンティストに興味がある方は、自身が持つスキルと照らし合わせながら見ていきましょう。


スキル1:データを正しく扱う能力


データサイエンティストとして、ビッグデータを見極める能力と、それを適切に扱う技術は欠かせません。

実際、データサイエンティストの業務の大部分がデータの取り扱いに関連しており、データ収集、データ加工、そして幅広い分析モデルの知識が必要とされます。


未経験の方は、PythonやRといったデータ分析によく使われるプログラミング言語や、SQLを始めとしたデータベースの知識を学べるITスクールに通うとよいでしょう。


スキル2:統計学・数学の応用力


ビッグデータを適切に分析するためには、統計学と数学の基礎知識及び応用力が必要です。


データサイエンティストが用いる「AI技術」は、これらの知識に基づいています。特に、確率統計、行列のような大学レベルの数学や、ベイズ推定、勾配降下法のような応用数学が求められることもあります。


スキル3:高いコミュニケーション能力


データサイエンティストは基本的にチーム単位で仕事をする職業であり、スムーズに仕事をするためにもコミュニケーション能力が欠かせません。

例えば、データ収集とヒアリングのために営業に同行する場合や、サービス開発でSEと連携する場合など、さまざまなシチュエーションで他の部署との関わりがあります。
データサイエンティストを目指すには、数学やプログラミングなどの技術的スキルだけでなく、ビジネスコミュニケーションのようなヒューマンスキルも必要です。


活躍できるデータサイエンティストになるための方法

活躍できるデータサイエンティストになるための方法

高いスキルが求められるデータサイエンティストを未経験から目指す場合には、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。

ここでは、活躍できるデータサイエンティストになるための方法を3つ紹介します。

  • データサイエンティストに役立つ資格を取得
  • ITスクールでスキルを習得
  • データサイエンスを学べる大学へ編入学

これらのアプローチがどのような方に適した方法なのかについても併せて解説していきます。


方法1:データサイエンティストに役立つ資格を取得


データサイエンティストの業務に役立つ資格を取得することで、実力が客観的に認められ、年収アップを狙える可能性があります。
早期にデータサイエンティストとして活躍したい方は、以下の資格を取得すると、データサイエンス分野における知識の定着が進み、仕事に活かせるため効果的です。資格を取得するのは転職活動や、昇給のためのアピール材料が欲しい方に適した方法です。



G検定
運営 一般社団法人日本ディープラーニング協会
受験料(税込)
13,200円
難易度
合格率:60〜70%程度
合格ライン
正答率:70%程度
受験方法
CBT
年数回実施
(参考:G検定とは


データサイエンティスト検定
運営 一般社団法人 データサイエンティスト協会
受験料(税込)
11,000円
難易度
合格率:50〜70%程度
合格ライン
正答率:80%程度
受験方法
CBT
年2回(春・秋)

(参考:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル


データベーススペシャリスト試験
運営 IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:15%前後
合格ライン
午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱすべてにおいて100点満点中60点以上
受験方法
CBT
年1回

(参考:データベーススペシャリスト試験



方法2:ITスクールでスキルを習得


データサイエンティストの需要が拡大している影響もあり、最近ではAIプログラミングや、Webマーケティングを学べるスクールが増加しています。

スクールでは、プロから現場で生きる知識を学ぶことができます。 例えば、データの前処理方法やSQL、モデリング手法など、データサイエンティストの実務で必要とされるスキルや知識を習得可能です。Pythonなどのプログラミング言語を併せて学んでおくのも有益でしょう。

また、データサイエンティスト向けの資格を習得できるスクールに通う場合は、スキルに加えて資格も取得できるメリットがあります。

IT業界未経験の方や、効率を重視する方にはITスクールの利用が適しています。


Pythonが学べるITスクールはこちら


方法3:データサイエンスを学べる大学へ編入学


東京大学をはじめ、早稲田大学や滋賀大学など、全国各地の大学でデータサイエンスを学べる学科が増加傾向にあります。 最近では社会人でも学びやすいように、短期集中型講座や、オンライン通信講座も開講されています。

充実した学習環境のなかで豊富な知識を持つ教授から学べるのが、大学で学ぶ大きな魅力です。ビジネススキルや、プレゼン能力を身につけられるメリットもあります。

ただしメリットが大きい分、費用や期間がかかる点に注意しなければなりません。


方法 年間学費目安 期間目安
大学編入53万円〜90万円以上2年〜7年
短期集中型・オンライン講座5万円〜85万円1日〜6ヶ月

大学へ編入学するのは、お金の余裕があり、じっくりと時間をかけながら学びたい方に適した方法といえます。

データサイエンティストの平均年収は今後も上がる!?

データサイエンティストの平均年収は今後も上がる!?

現時点では日本人の全体平均と比較してデータサイエンティストは高年収で、今後も引き続き年収増加が期待できるでしょう。


データサイエンティストの平均年収が今後も上昇し続けると期待できる理由は、次の通りです。


  • データの活用を進める企業が増加傾向にある
  • 国主導で、データサイエンティストやAI人材の獲得を推進している
  • 大学等の教育機関や、民間の自治体をはじめとする公的機関もデータサイエンティストの育成に注力している
  • データサイエンティストの需要が供給を大きく上回っている

データサイエンティストの需要は高まりつつあります。ただし、2019年に行われた調査では、データサイエンティストが在籍している企業の割合は全体の29%でした。その中で56%の企業が、1年以内にデータサイエンティストを増やしたと回答しています。

2022年の同調査・同回答ではデータサイエンティストの増加割合は41%と多少減少したものの、未だに需要は高い状態です。令和4年度の有効求人倍率は、2.77と非常に高い数値を示しました。この需要の増加は、ビジネスのデジタル化や産業全体のデータ活用拡大が大きな理由です。
(出典:一般社団法人 データサイエンティスト協会「データサイエンティストの 採用に関するアンケート調査結果」)
(出典:一般社団法人 データサイエンティスト協会「データサイエンティストの 採用に関するアンケート」
(出典:厚生労働省「データサイエンティスト」

現代のビジネスや産業において、データ活用の重要度は日増しに高まっています。特にAIや機械学習、ディープラーニングといった技術の進展が目覚ましく、これらの技術は、UIやUXの品質向上、効率的なデータ解析など、あらゆるビジネスに多大な影響を与えています。

製造業やサービス業でデータの活用が進む中、大企業は経営企画やマーケティングにデータを活用するケースやコンサルタントに依頼するケースが増えてきました。中小企業でも半数以上が何らかの形でデータを活用しており、この傾向は今後も拡大していくでしょう。

データの活用が広がるにつれ、データサイエンティストの役割も多様化しており、求められるスキルセットにも影響が出ています。近年はデータ分析能力だけでなく、ビジネスへの理解力や企業の課題解決に貢献する能力、AIや機械学習の知識も必須となりつつあります。

データサイエンティストの需要は日本で高いままですが、供給面に問題があり、多くの企業は十分な人材を確保できていません。日本でデータサイエンティストは比較的新しく、必要な知識、スキル、実務経験を持つ人材が不足しています。
さらに、新たな人材を育成できるような経験豊富な人も少ないのが現状です。

企業の58%が2019年に、62%が2021年にデータサイエンティストの人材不足を報告しており、この問題は増加傾向にあります。
教育機関や政府は対策を強化していますが、業界の需要を満たすには至っていません。

(出典:一般社団法人 データサイエンティスト協会「データサイエンティストの 採用に関するアンケート調査結果」
(出典:一般社団法人 データサイエンティスト協会「データサイエンティストの 採用に関するアンケート」

データサイエンティストの需要は今後も増加の一途を辿ると予想される一方、人材不足が簡単に解消されるとは考えられません。需要と供給のバランスを鑑みると、データサイエンティストの平均年収は今後も上がっていくと考えられるでしょう。

まとめ:高年収のデータサイエンティストを目指したい方はITスクールへ!

データサイエンティストは、スキル次第で年収1,000万円以上の高年収を狙える魅力的な職業です。

ただし年収を上げるためには、資格の取得やスキルの習得が必要です。
未経験の方はITスクールや関連資格を上手く活用し、データサイエンティストを目指しましょう。


資格を取得できるITスクールはこちら

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