ゲームプログラマーになるには?必要な資格・求められるスキル

ゲームプログラマーになるには?必要な資格・求められるスキル

ゲームで狙った通りの動作・演出をするには、ゲームプログラマーによるプログラミングが欠かせません。ゲームが好きで、ゲーム業界に興味がある方の中には、「ゲームプログラマーになりたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

ゲームプログラマーになるには専門的な知識・スキルが必要となるものの、社会人からでも目指すことはできます。

今回は、ゲームプログラマーになる3つのルートと、就職・転職で有利になる資格、ゲームプログラマーに求められるスキルなどを解説します。

ゲームプログラマーとは?

ゲームプログラマーとは?

ゲームプログラマーとは、ゲームのシーンやキャラクターの動きが意図した通りになるよう、プログラミングをするクリエイターです。

ゲームプログラマーのプログラミングは、一般的にゲームプランナーが作成した仕様書に沿って実施されます。ゲームの企画・構想から実際に動作するものを作り上げるゲームプログラマーは、ゲーム開発の中でもやりがいを感じやすい仕事です。

ゲームプログラマーの仕事内容


ゲームプログラマーの主な仕事内容を4つ紹介します。

●ゲームの企画会議に参加

ゲームの内容や方向性を決める企画会議に、ゲームプログラマーも参加します。企画の実現可否について忌憚なく意見を述べましょう。何らかの理由があって不可能な場合は「できない」と答えるだけではなく、代替案が出せる提案力も求められます。

●開発するゲームの仕様決定

具体的なゲームの仕様を決定します。決定する仕様をいくつか紹介します。
  • どのハードウェア向けに開発するか(ゲーム機・PC・スマホなど
  • ハードウェアの動作推奨環境(プロセッサ・ストレージ・メモリなど
  • ソフトウェアの動作環境(OS・ゲームエンジンなど
  • ゲームの操作や挙動に関する仕様(ゲーム画面の操作方法・システムなど)

●プログラミング

完成した仕様書に沿って、ゲームのプログラミングを進めます。作成するゲームの種類やハードウェアによって扱うプログラミング言語が異なるため、扱える言語数が多いほど、仕事の幅が広がります。

●デバッグ作業

プログラミングをしたゲームのテストプレイをして、動作確認やバグの修正を進めます。ゲームの完成度を高めるために欠かせない作業です。

ゲームプログラマーの仕事内容とは?求められるプログラミング言語を解説!

ゲームプログラマーの平均年収


正社員として雇用されているゲームプログラマーの平均年収は、約516万円となっています(※2023年5月19日現在)。

日本の平均年収は約449万円であり、ゲームプログラマーの給与額は日本の平均より高い傾向にあることが分かります。

ゲームプログラマーになるには?

ゲームプログラマーになるには?

ゲームプログラマーになるには、主に3つのルートがあります。

ルート(1)情報系の学部学科がある大学・短大に進学する

「情報工学部」や「情報システム学科」といった情報系の学部学科がある大学・短大に進学するルートです。ゲームプログラマーに求められる情報系の知識が身につき、大卒・短大卒といった学歴を作れるメリットがあります。


ルート(2)ゲーム制作の専門学校に進学する

ゲーム制作を学べる専門学校に進学するルートです。ゲームプログラマーの育成コースがある専門学校を選べば、プログラミング技術をしっかりと学んだり、スムーズな資格取得ができたりします。


ルート(3)独学で勉強する

ゲームプログラマーは学歴や資格が必須となるわけではないため、独学で勉強するルートでもゲームプログラマーを目指せます。


ルート(4)スクールに通って勉強する

スクールに通いながら、ゲーム開発・制作に必要なプログラミングのスキルを習得するルートです。現役の講師やプロ講師から、実践的なプログラミング技術を教えてもらえます。


いずれのルートも、ゲームメーカー・開発会社に就職すればゲームプログラマーとして働けます。すでに社会人として働いている方の場合は、夜間コースがある専門学校に通うルート・独学で勉強するルート・スクールに通って勉強するルートがよく選択されます。

ただし、ゲームプログラマーの求人募集では、学歴や特定資格の取得を応募条件にしているケースがほとんどであることも覚えておきましょう。

ゲームプログラマーを目指すにあたって有利となる資格6選

ゲームプログラマーを目指すにあたって有利となる資格6選

ゲームプログラマーは特定の資格を取得すると、就職・転職が有利になるだけではなく、キャリアアップにもつなげやすくなります。

ゲームプログラマーを目指す方におすすめの資格は、下記の6つです。

  1. 基本情報技術者試験
  2. TOEIC
  3. CGエンジニア検定
  4. C言語プログラミング能力認定試験
  5. Java™プログラミング能力認定試験
  6. Unity認定資格

ここからは、それぞれの資格の概要や、取得するメリットなどを解説します。

基本情報技術者試験


基本情報技術者試験は、情報処理技術についての基本的知識・技能の保有を証明できる資格です。経済産業省が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一区分であり、基本情報技術者試験も国家資格です。

基本情報技術者試験の試験科目には、プログラミングに関する出題があります。合格には基礎的なプログラミングの理解が必要となるため、取得すればゲームプログラマーの採用で有利に働くでしょう。


基本情報技術者試験
運営IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:25%前後

未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある
合格ライン
60点以上/100点満点
受験方法
CBT
随時

(参考:基本情報技術者試験ドットコム


基本情報技術者試験は近年合格率が上昇しています。令和2年度以降の合格率は40%前後で推移していて、しっかりと勉強すれば合格できる難易度です。

ただし、基本情報技術者試験の試験制度は2023年4月より大きく変更されています。取得を検討する方は、試験制度の変更点をチェックしておくことがおすすめです。

TOEIC


TOEIC(トイック/トーイック)は、英語力の測定ができる試験です。990点満点の試験を受験し、何点のスコアを獲得できたかによって本人の英語力を客観的に証明できます。

ゲームプログラマーにTOEICがおすすめな理由は、特に欧米から発信されるゲームの最新情報・トレンドを把握する際に英語力が役立つためです。

また、近年は世界の市場をターゲットにしているゲームメーカーが多く、海外の開発者と連携してゲーム開発を進めるケースも少なくありません。開発中のコミュニケーションや英語の仕様書を理解する上で、英語力は必要不可欠な能力です。

TOEICで英語力の高さをアピールする場合は、700点以上のスコア獲得が目安となるでしょう。日本における2021年度のTOEIC平均スコアは574点であり、700点以上のスコア獲得は難易度が高いと言えます。

CGエンジニア検定


CGエンジニア検定は、CG分野の開発・設計を担当するプログラマーやエンジニアの能力を認定する資格です。「ベーシック」と「エキスパート」の2種類があり、どちらも70点以上を獲得すれば合格できます。

CGエンジニア検定
運営公益財団法人 画像情報教育振興協会
受験料(税込)
ベーシック 5,600円
エキスパート 6,700円
難易度
ベーシック合格率:60.9%
エキスパート合格率:33.2%
合格ライン
ベーシック・エキスパートともに70点以上
受験方法
年2回
20都道府県で実施

(参考:検定試験 応募者数と合格率


ベーシックを取得すればCG分野の開発に必要な基礎知識があること、エキスパートを取得すれば専門知識の理解と応用能力を有していることが証明できます。ゲーム開発ではCGを多用するケースが多く、CGエンジニア検定の取得は戦力としての評価に結びつきやすいでしょう。

CGエンジニア検定の合格率はベーシックが60%前後、エキスパートが30%前後で推移しています。まずはベーシックを取得してから、難易度が高いエキスパートに挑戦することがおすすめです。

C言語プログラミング能力認定試験


C言語プログラミング能力認定試験は、プログラミング言語の1つ「C言語」についての知識・能力を認定する資格です。1級~3級の3等級に分かれていて、自分の能力に合った試験を受験できます。

C言語はできることが多く、コマンドプロンプト上で動く2Dの簡単なゲームからDXライブラリを用いた本格的なゲームを開発できます。ゲームプログラマーとして活躍したい方にとっては、入門スキルと言えるでしょう。

C言語プログラミング能力認定試験を取得すると、取得した等級に応じた能力の客観的な証明とすることが可能です。C言語の高い知識・技術が示せる2級、もしくは実務的な能力を示せる1級を取得すれば、C言語系のプログラミング言語を使いこなせる人材として認められるでしょう。


C言語プログラミング能力認定試験
運営株式会社サーティファイ
受験料(税込)
1級 :7,800円
2級:6,400円
3級:5,200円
難易度
平均合格率:70.3%(2021年度)
合格ライン
正答率:60%以上
受験方法
CBT
級によって会場・日程は異なる
(参考:サーティファイ C言語プログラミング能力認定試験


C言語プログラミング能力認定試験の合格率は、2021年度で70.3%(1級~3級の平均)となっています。1級・2級の合格率はより低いと推測できるため、入念な試験勉強が必要です。

Java™プログラミング能力認定試験


Java™プログラミング能力認定試験は、プログラミング言語の1つ「Java」の知識・能力を認定する資格です。1級〜3級の3等級に分かれていて、1級が最も専門的な知識・能力が求められる等級となっています。

Javaは、Android向けアプリを開発する際に使われるケースが多い言語です。Java™プログラミング能力認定試験を取得すれば、Andoroid向けのゲームアプリを開発できる人材として注目してもらえるでしょう。


Javaプログラミング能力認定試験
運営株式会社サーティファイ
受験料(税込)
1級 :7,800円
2級:6,400円
3級:5,200円
難易度
平均合格率:59.4%(2021年度)
合格ライン
正答率:60%以上
受験方法
CBT
級によって会場・日程は異なる

(参考:サーティファイ Java™プログラミング能力認定試験



Java™プログラミング能力認定試験の合格率は、2021年度で59.4%(1級〜3級の平均)です。ゲームプログラマーを目指す方は、実務能力の証明につながる2級以上の取得がおすすめとなります。


Unity認定資格


Unity認定資格は、ゲームエンジンの「Unity」に関する知識・技術の習熟度が証明できる資格です。「ユーザー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4等級に分かれていて、さらに受験者の志向に合わせた3つのコースが用意されています。

プログラマーコースでUnity認定資格を取得すると、Unityを使用したプログラミングの専門家であると対外的に証明できます。Unityはさまざまなゲームの開発に使われているゲームエンジンであり、採用を有利に進められるでしょう。


Unity認定試験
運営Unity Technologies
受験料(税込)
認定レベルによって異なる
難易度
認定レベルによって異なる
合格ライン
スコア500以上(スコアスケール200~700)
受験方法
CBT
随時


Unity認定資格は合格率が公表されていないものの、特にプロフェッショナル以上は難易度が高めであることが推測されます。資格取得を目指す方は、自分に合った等級からステップアップをしていきましょう。

ゲームプログラマーに求められる3つのスキル

ゲームプログラマーに求められる3つのスキル

ゲームプログラマーにとって資格取得は、自身が持つ知識・技能の証明に役立ちます。

また、実践的なスキルの習得も同じくらい大切です。ゲームプログラマーに役立つスキルを把握し、あらかじめ習得しておけば、就職・転職後に即戦力として活躍できるでしょう。

最後に、ゲームプログラマーに求められる3つのスキルを紹介します。


プログラミングスキル


プログラミングスキルは、ゲームプログラマーに欠かせないスキルです。

ゲーム開発で使われるプログラミング言語を深く理解して、速く正確にコードが書けるゲームプログラマーは、現場の業務効率を高められます。

作成したコードはチーム内で共有するため、「他人が読みやすいか」「後で修正しやすいか」といったポイントを意識することも大切です。

ロジカルシンキング


ロジカルシンキングは論理的思考とも言われ、企画の提案や問題解決を行うときに必要となるスキルです。

特にプログラミングはコンピュータに与える指令を作る作業であり、ゲームプログラマーは論理的な考えができなければ正確なコードは書けません。

また、バグが発見されたときにコードの問題点を発見したり、修正方法を考えたりするときにもロジカルシンキングは求められます。

ゲームエンジンスキル


ゲームエンジンスキルとは、ゲームエンジンに関する深い知識のことです。ゲームエンジンごとに適したプログラミング言語の選択や、表現方法の違いを理解できていると、ゲームプログラマーの仕事が円滑に進められます。

ゲームエンジンは新しい種類・バージョンが登場することもあるため、常に新しい知識を勉強する姿勢も必要です。

ゲームプログラマーとして活躍するためには、紹介した3つのスキル以外にもさまざまなスキルが求められます。


まとめ

ゲームプログラマーになるには、大学・短大や専門学校を卒業した上で、ゲームメーカー・開発会社に就職する方法が一般的です。社会人の方には、夜間コースがある専門学校に通学したり、独学で勉強したりする方法もあります。

ゲームプログラマーになるための必須資格はありません。しかし、採用を有利に進めるには紹介した6つの資格取得を検討したほうがよいでしょう。プログラミングスキルなどのスキルも身につけていると、即戦力として活躍できます。

ゲームプログラマーに求められる資格・スキルを身につけるには、スクールでの学習がおすすめです。

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