サーバーエンジニアは、インフラエンジニアを代表する職種の一つです。セキュリティの強化や、データ処理が必須の現代において欠かせない仕事です。
それだけに、サーバーエンジニアの求人も豊富にあります。将来性のある仕事でもあるため、「サーバーエンジニアに転職したい」「どんな仕事か具体的に知りたい」と考えている人もいるでしょう。
本記事では、サーバーエンジニアの仕事内容や、転職の現状を解説していきます。また、転職成功のための3つのポイントや求められるスキルも併せてご紹介します。ぜひ最後まで読み進めてサーバーエンジニアへの転職を成功させてください。
サーバーエンジニアはサーバーの運用・保守をする仕事
サーバーエンジニアの主な仕事内容は、サーバーの運用・保守や設計・構築であり、サーバーを監視してトラブル対応したり、未然に防いだりします。
サーバー設計する場合は、スペック面だけでなく限られた予算を考慮しながらプロジェクトを管理し、進行役を担います。
サーバーエンジニアは転職しやすい職種の一つ
サーバーエンジニアは以下2つの理由から転職しやすい職種といわれています。
- サーバーエンジニア関連の求人が豊富
- サーバーエンジニアは将来性がある
現在、サーバー形態がオンプレミス型からクラウドサービスへ移行しつつあります。この変化に対応できるサーバーエンジニアの需要が高まっています。
今後サーバーエンジニアへ転職することを考えているのであれば、事前に転職市場の状況を知っておくと有利です。
次の章ではサーバーエンジニアが転職しやすい理由を解説していきます。興味のある方はぜひご覧ください。
サーバーエンジニア関連の求人は豊富
dodaではサーバーエンジニア関連の求人が4,000件以上あり、サーバーエンジニアの需要が高いことがわかります。
企業にとって、業務効率化や自動化を図るIT技術は欠かせないものとなっています。インターネットを利用するうえで必要不可欠であるサーバー構築や保守、運用スキルがある人材は今後も需要が高いことが予測されます。
未経験からでも応募できる求人もあるため、ぜひチェックしてみてください。
サーバーエンジニアは将来性がある
オンプレミス型からクラウド型サーバーへの移行が進み、サーバーエンジニアの需要が減少するのではないかと危惧する人もいます。
ですが、今後もサーバーエンジニアの需要はあると推測できます。
クラウド型サーバーは利便性が高いものの万能ではありません。機密性の高い情報システムや重要度の高いシステムには、オンプレミス型サーバーが適しており、オンプレミス型を利用し続けている企業は数多くあります。
また、クラウド型が主流になったとしても、サーバー設計や構築を担うのはサーバーエンジニアであり、サーバーエンジニアの仕事が無くなることはありません。
このような理由から、今後もサーバーエンジニアの需要はあり、将来性のある職種といえるでしょう。
サーバーエンジニアに転職する際の年収
未経験からでもサーバーエンジニアへの転職は可能です。しかし、同じサーバーエンジニアでも経験値やスキルによって年収に差が出ます。
この章では、経験値やスキルレベル別での年収額を解説していきます。
年収300~400万円:未経験でも就職可能
実務経験を問わない求人であれば、未経験からでもサーバーエンジニアとして就職できます。年収300万〜400万円の求人は、未経験から経験年数2年までを対象としていることがほとんどです。
自社で教育し、長く働いてもらいたいと考えている企業もあるため、求人は20代〜30代前半の方が対象となり年齢が上がると採用されにくいようです。
未経験から転職した場合は、運用サポート業務のみを任されることも多く、平均年収も低くなります。スキルを磨き、上流工程を手がけられるようになれば、自ずと収入も増加するでしょう。
年収400~500万円:経験3年程度が目安
サーバーエンジニアとして実務経験がある場合は、年収400〜500万円で採用されるチャンスが多くなります。年収400〜500万円の求人は、経験年数3年から10年程度が目安で、年齢は20代前半〜30代前半の方が多いです。
業務内容は、設計や構築業務が中心となるケースが大半で、クラウドサービスの構築スキルがあると、年収450万円以上で採用されるケースも少なくありません。
年収500万円以上:3年以上の実務経験が目安
年収500万円以上の求人は、少なくとも経験年数が3年以上あり、保守・運用だけでなくサーバー構築の経験・スキルが重視される傾向にあります。年齢では30代中盤から40代で即戦力となる人材を募集しているケースが多いです。
サーバーエンジニアとしてのスキルだけでなく、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしての経験がある方は転職にも有利に働きます。
また、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの経験が無くても、「要件定義」など上流工程の経験がある方は、好条件で転職できる可能性は充分にあるでしょう。
サーバーエンジニアの転職が成功しやすくなるポイント
転職を成功させるためには、事前に転職のポイントを把握しておくことが重要です。転職のポイントを理解しておけば、転職活動への不安が減り、自信を持って転職活動に挑めるでしょう。
この章では、サーバーエンジニアの転職を考えている方へ転職のポイントを4つ紹介します。ぜひ理解して転職活動に生かしてください。
ポイント1:求人の業務内容をしっかり確認する
企業によって、サーバーエンジニアに任せる業務範囲は異なります。サーバーの保守・運用だけを任せる企業もあれば、構築・設計を担当するケースもあります。
企業が求めるスキルレベルにはバラツキがあるので、求人内容が自分のスキルに合っているか見極めた上で応募すると、転職の成功率が上がるでしょう。
ポイント2:資格を取得しておく
資格は知識や技術の証明になるので、面接時にアピールできます。サーバーエンジニアであれば、基本情報技術者試験やクラウドベンダー系の資格、LinuCの資格取得がおすすめです。
これらの資格は取得の過程で仕事に役立つ知識が身につくため、転職を成功させたい方は資格を取得するとよいでしょう。
それぞれの資格の難易度や費用は後述しているので、参考にしてみてください。
ポイント3:転職理由を明確にしておく
サーバーエンジニアに限らず、転職の際は理由を明確にしておくとよいでしょう。
転職理由を明確にすることで、企業に自分をしっかりアピールできます。転職理由に加えて、転職を決めた経緯を話すことができれば、転職にかける思いがより強く相手に伝わるでしょう。
また、中途採用では即戦力の人材を求めているケースがあります。具体的なエピソードに加え、前職での成果を伝えられれば、即戦力であるとアピールすることができます。
ポイント4:転職エージェントなどのツールを活用する
サーバーエンジニアの求人数は多く、募集要項を見比べて自分のスキルと照らし合わせたうえでも、転職先を絞りきれない方もいるのではないでしょうか。
そんな方は、転職エージェントを活用してみましょう。転職エージェントがあなたの希望に合う求人を紹介してくれるはずです。
転職エージェントのサービスには、求人のピックアップだけでなく転職相談も含まれます。どのように転職活動を進めればよいか悩んでいる方は、一度転職エージェントを活用するとよいでしょう
サーバーエンジニアとして転職するために必要な5つのスキル
キャリアアップにも生かすことができます。
ここで紹介する5つのスキルは実務でも役立つので、ぜひ参考にしてください。
スキル1:インフラ関連の知識
サーバーだけでなくインフラ全般の知識・スキルを持つエンジニアは、需要が高い傾向にあります。広い視野で現状を把握し、課題解決に向けた策を見出せるからです。
インフラ関連の知識には、サーバーの他にパソコンやストレージ、テープ、ネットワークがあります。他のインフラ関連の知識を学び、状況に応じて活用しながら、年収アップやキャリアアップを目指しましょう。
スキル2:サーバー構築のための知識
ここまでにも解説した通り、情報システムにはサーバーを自社で保有するオンプレミス型と、自社で保有せず使う分だけ料金を払って利用するクラウド型があります。
現在は、コスト削減や運用管理者の負担軽減を理由に、オンプレミス型からクラウド型へ移行する企業が増えています。
また、アプリケーション環境をコンテナという独立空間で構築するコンテナ型の仮想化も進んでおり、今後も新しいサーバー環境の構築スキルは需要が伸びることが予想されます。今からでも新しい構築スキルの習得を目指すと、年収アップが期待できるでしょう。
スキル3:コミュニケーション能力
最適なサーバー環境の構築に向け、サーバーエンジニアは顧客や現場プログラマーとコミュニケーションを取ることが求められます。
顧客とコミュニケーションが取れていれば、顧客の新たな課題を発見できる可能性もあります。業務を円滑に進めるためにも、ほかのサーバーエンジニアとの連携は必須なので、コミュニケーション能力を培っておくべきです。
スキル4:マネジメント能力
マネジメント能力とは「管理する能力」のことで、物事を管理・運営する能力を指します。
納期の調整だけでなく、現場プログラマーの抱えている問題を把握し、視野を広く持ちながら仕事を進める必要があります。
マネジメント能力を持つ人材は枯渇しており、プロジェクトマネージャーをはじめ、管理経験のある人は高年収を狙いやすいはずです。
スキル5:論理的思考力
「論理的思考力」とは、物事を筋道立てて考える力のことで、ロジカルシンキングとも呼ばれています。
ユーザーの要望を引き出し、要件をシステム化するまでの道筋を組み立てるためには、「論理的思考」が不可欠です。また論理的思考力は、効率の良い作業スケジュールの作成やトラブル発生時の事象の切り分け、再発防止にも役立てることができます。
論理的思考があれば、サーバーエンジニアとしての能力が高いと判断され、キャリアアップや収入アップにも有利に働きます。
サーバーエンジニアへの転職に役立つ資格3選
資格を取得すると、未経験からの転職でもアピールでき、転職が成功しやすくなります。
この章では、サーバーエンジニアが有利になる資格を3つ紹介します。
サーバーエンジニアに必要な資格に関しては、下記記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
▶ サーバーエンジニアに求められる資格6選!難易度とおすすめの勉強法は?
資格1:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験 |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込)
| 7,500円 |
難易度
| 合格率:25%前後
未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある |
合格ライン
| 60点以上/100点満点 |
受験方法
| CBT 随時
|
(参考:基本情報技術者試験ドットコム)
基本情報技術者試験は、IT人材に必要な基本的知識・スキルの証明になります。
IT知識の基礎知識を身につけたいと考えているなら、まずは基本情報技術者試験の資格取得を目指しましょう。
基礎知識を身に付ければ、他の知識を吸収する時にも役立ちます。未経験からサーバーエンジニアを目指す方は、まず基本情報技術者の資格取得を目指しましょう。
資格2:クラウドベンダー系の資格
AWS認定 |
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運営 | Amazon Web Services, Inc. |
受験料(税込)
| FOUNDATIONAL:12,100 円 ASSOCIATE:16,500 円 PROFESSIONAL:33,000 円 SPECIALITY:33,000 円 |
難易度
| 合格率:非公開 |
合格ライン
| FOUNDATIONAL:700点以上 ASSOCIATE:720点以上 PROFESSIONAL:750点以上 SPECIALITY:750点以上 |
受験方法
| CBT 随時 |
Google Cloud認定資格 |
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運営 | Google社 |
受験料(税込)
| 基礎的な認定資格:$99 アソシエイト認定資格:$125 |
難易度
| 合格率:非公開 |
合格ライン
| 正答率:非公開 |
受験方法
| CBT 随時 |
Microsoft Azure認定資格 |
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運営 | 株式会社オデッセイコミュニケーションズ |
受験料(税込)
| 13,200円 |
難易度
| 合格率:非公開 |
合格ライン
| 700点以上/1,000点満点 |
受験方法
| CBT 随時 |
クラウドベンダー系の資格で、代表的な認定資格はこれらです。
クラウドサーバーは近年主流となりつつあり、関連資格を持っていると転職できる企業の幅が広がります。
転職したい企業がある場合、環境に合わせて特定の資格を取得すれば、転職に有利になるでしょう。
資格3:LinuC
LinuCはサーバーOSとして最大規模を誇るLinuxに関する技術力と知識を証明する資格です。
LinuCはレベル1から3に分かれており、上位レベルの資格を受験するためには、下位レベルの認定資格の取得が必須です。レベル1であれば未経験からでも2ヵ月程の学習で合格することができます。まずはレベル1を取得し、経験やスキルに応じて上位資格の取得を目指しましょう。
まとめ:サーバーエンジニアへ転職しよう
サーバーエンジニアは、サーバーの保守・運用や設計・構築などの役割があり、企業において非常に重要な存在です。
近年サーバー形態はオンプレミス型から、クラウド型へ移行しつつあり、この変化に対応できるサーバーエンジニアの需要が高まっています。実際、サーバーエンジニアの求人数も多く、将来性のある職種です。
本記事で紹介した転職で成功するためのポイントや、サーバーエンジニアに求められるスキルを参考に、サーバーエンジニアに転職するための準備を進めましょう。
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