ITコンサルタントについて何となく知っているものの、具体的な仕事内容まではわからない方も多いのではないでしょうか。
ITコンサルタントを一言で表すと、ITで企業をサポートする職業です。
この記事では、ITコンサルタントの具体的な仕事内容や必要なスキル、未経験から目指す方法について紹介します。
この記事を読むと、ITコンサルタントを未経験から目指す場合に、押さえておくべき知識をひと通り理解できます。ITコンサルタントに興味がある方や、ITスクールで学ぶ内容にお悩みの方はぜひご覧ください。
ITコンサルタントの仕事内容は、単なるコンサルタント業務だけにとどまりません。ここではITコンサルタントの仕事内容を、以下の5つに分けて紹介します。
ITコンサルタントは、顧客との相談の中で解決したい問題やITシステムの課題を正確に把握します。ただ情報を収集するだけでなく、顧客の潜在的なニーズも明らかにし、最終的な契約の獲得を目指すマーケティングの一環としての役割も担います。
一方で、SEはヒアリングへ同行することはほとんどありません。ITコンサルタントのヒアリング内容に基づきシステムの機能を文書化する役割を担います。
ITコンサルタントの仕事には、ヒアリング内容に基づいて課題を実際に分析し、改善点を明らかにしていく業務も含まれます。
例えば、業務フローや現状のシステム、経営状況など、既存プロセスを可視化するためにさまざまなデータを分析し、現状を正しく把握しなければなりません。
コンサルタントのなかでも特にITコンサルタントは、ITシステムの導入を進め、ミクロな視点での経営課題解決を目指します。
近年ITコンサルタントを専門とする会社においても、従来のコンサルタント業務に加えシステム構築まで踏み込むケースも増加しています。
そのため、ITコンサルタントもシステムの設計から開発といったプログラミングを担当する場合もあります。
ただし、システムの設計や開発、動作テストなど一連の開発工程は、SEやプログラマーがメインで担うのが一般的です。
一方で、ITコンサルタントは上流工程用のプログラミング言語を担当します。
ITコンサルタントの技量が最も試されるのが、解決案の提案業務です。
一連の分析や開発がひと段落すれば、以下の内容を提案書にストーリー仕立てでまとめて顧客に報告します。
IT技術を用いて業務改善を図る「DX化」のニーズが増えているなか、ITコンサルタントの需要も拡大しています。
例えば、オフィスレス化の実現に向けて、企業のDX戦略に基づいた計画の策定やニーズの分析、適切なテクノロジーの選定、導入計画にITコンサルタントが必要です。また、クラウドサービスの活用やセキュリティ対策の導入など、オフィスレス環境に適した技術の提案・選定もITコンサルタントの役割です。
こうしたDX化は業界を問わず進められており、ITコンサルタントの役割はますます重要度を増しています。そのため、今後も業務領域が拡大することが予想されます。
ITコンサルタントの幅広い業務をこなすためには、豊富な知識とスキルが求められます。ここでは、ITコンサルタントになりたい方が持つべき知識やスキルを4つ紹介します。
質の高いコンサルティングには、ソフトウェアからハードウェア、セキュリティに関する知識まで、さまざまなITに関する知識が必要です。
また、システム開発工程に携わらない場合にも、自社サービスに対する理解を深めるためにプログラミング言語の理解も必要不可欠です。
特にIT業界以外から転職する場合には、ITスクールや関連資格の取得を通じてITに関する知識を習得するとよいでしょう。
ITコンサルタントに必要なものとは? スキル、資格、適性を大特集!
ITコンサルタントに興味がある方のなかには、ITコンサルタントの年収や転職事情について知りたい方も多いのではないでしょうか。
ここではITコンサルタントの年収相場や転職市場、求められる人物像について解説します。
「求人ボックス」によると、ITコンサルタント全体の平均年収は644万円(2023年8月23日現在)と公表されています。 同サイトにて、ITエンジニア全体の平均年収は497万円であるため、IT業界のなかでも高い方に分類されるでしょう。
このような年収の高さも魅力の1つとなり、SE等の現場経験が豊富な方や、コンサルタント経験のある方など、さまざまな職種や業界からの転職先として人気です。
ITコンサルタントの転職市場は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、需要が拡大しています。
さまざまな業界や規模の企業で、ITコンサルタントの専門知識とスキルが求められている一方、競争も激化しており、他のITコンサルタントとの差別化が重要です。分析力や提案力、プロジェクトマネジメント、コミュニケーション能力といったスキルがあれば、市場価値の高い人材として重宝されるでしょう。
激化する競争の中でコンサルティングファーム、大手企業のIT部門、新興テック企業など、ITコンサルタントの活躍の場は広がっています。
ITコンサルタントの転職市場は需要増加と多様性が特徴であり、幅広いスキルと戦略的なアプローチが成功への鍵です。競争の中で他のITコンサルタントとの差別化を図りつつ、自分に合う転職先をみつけることで、豊かなキャリアを築くことができるでしょう。
ITコンサルタントのキャリアパスは多岐に渡ります。コンサルティングファームでのキャリア構築では、アナリストからスタートし、スペシャリストとしての強みを伸ばし、マネージャーへ昇格することを目指すのが一般的です。プロジェクト全体を統括するマネジメントや特定領域の専門家としてキャリアを築くことも可能です。
所属企業で管理職を目指す道もあります。マネージャー職へ昇格したら、パートナーとして経営に携わる道もあります。ITコンサルタントとして培ったスキルをSIerや事業会社などで生かすことも可能で、実力があればどんどん選択肢を増やせます。
ただし、どのような選択をするとしても、重要となるのは柔軟性と成長意欲です。様々な経験を通して専門性を深めつつもリーダーシップや経営感覚を養うことで、キャリアパスの可能性を広げることができます。自身の強みを最大限に活かし、常に新たなチャレンジを続ける姿勢が、ITコンサルタントとしての充実したキャリアを築くうえで欠かせないものとなるでしょう。
これまでに解説してきた仕事内容や、持つべきスキルを踏まえて、ITコンサルタントの仕事内容に適性がある方を紹介します。
ITコンサルタントの仕事内容に適性があるのは、次のような方です。
特に未経験からITコンサルタントを目指したい方は、自身の性質と照らし合わせながら適性があるかどうかを判断してください。
これまで解説してきたように、スキルの乏しい未経験の状態からITコンサルタントに転職するのは簡単ではありません。
ここでは未経験からITコンサルタントを目指す方法について、以下の2つを紹介します。
ITストラテジスト | |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:15%前後 |
合格ライン | 午前試験Ⅰ・Ⅱと午後試験Ⅰで、60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 試験会場で実施 |
(参考:令和3年度4月試験 ITストラテジスト試験 合格発表 分析コメントと今後の対策)
応用情報技術者試験 | |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:20%前後 |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 年2回(春・秋) |
(参考:応用情報技術者試験ドットコム)
ITコーディネータ試験 | |
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運営 | ITコーディネータ協会 |
受験料(税込) | 19,800円 |
難易度 | 合格率:約50%~70% |
合格ライン | 正答率:約60%~80%(非公式) |
受験方法 | CBT 随時 |
(参考:ITコーディネータ協会 ITコーディネータ試験合格者数推移)
転職の際にこれらの資格をアピールできれば、スキルの証明とともに高い向上心が認められ、好印象を与えられるメリットもあります。
ただし、資格取得までに長い時間を要するケースもあります。時間効率を重視する方には、資格取得よりもITスクールを利用する方が適しているでしょう。
ITコンサルタントの仕事内容は、ヒアリングから現状分析、プロジェクトのマネジメント実行まで多岐に渡ります。ITコンサルタントとしての仕事をこなすためには、ITやプログラミング言語の理解に加え、コミュニケーションやリーダーシップといったヒューマンスキルも必要です。
ITコンサルタントは年収が高く、需要も高いため、未経験からの転職は難しいとされていますが、ITスクールに通うことで技術的なスキルを習得できます。
ITスクールでは、最新の技術やトレンドを踏まえたプログラミング言語など、基本的なスキルを学ぶことができます。実践的なプロジェクトに取り組んでスキル向上も可能です。
未経験からITコンサルタントを目指す方はITスクールに通うことでスキルを高め、転職に活かせる競争力を高めましょう。