ITコンサルタントとは?仕事内容や資格、未経験からのキャリアパスに関して解説

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ITコンサルタントとは?仕事内容や資格、未経験からのキャリアパスに関して解説

ITコンサルタントについて何となく知っているものの、具体的な仕事内容まではわからない方も多いのではないでしょうか。

ITコンサルタントを一言で表すと、ITで企業をサポートする職業です。

この記事では、ITコンサルタントの具体的な仕事内容や必要なスキル、未経験から目指す方法について紹介します。

この記事を読むと、ITコンサルタントを未経験から目指す場合に、押さえておくべき知識をひと通り理解できます。ITコンサルタントに興味がある方や、ITスクールで学ぶ内容にお悩みの方はぜひご覧ください。

ITコンサルタントの仕事内容やSEとの違い

ITコンサルタントの仕事内容やSEとの違い

ITコンサルタントの仕事内容は、単なるコンサルタント業務だけにとどまりません。ここではITコンサルタントの仕事内容を、以下の5つに分けて紹介します。


  • ヒアリング
  • 現状分析
  • システム設計や開発
  • 解決案の提案
  • プロジェクトのマネジメント実行

  • また、ITコンサルタントと混同されがちなSE(システムエンジニア)との違いについても簡単に解説します。

    ITコンサルタントにおける業務内容の理解を深めるために、1つずつ確認していきましょう。


    仕事内容1:ヒアリング


    ITコンサルタントは、顧客との相談の中で解決したい問題やITシステムの課題を正確に把握します。ただ情報を収集するだけでなく、顧客の潜在的なニーズも明らかにし、最終的な契約の獲得を目指すマーケティングの一環としての役割も担います。


    一方で、SEはヒアリングへ同行することはほとんどありません。ITコンサルタントのヒアリング内容に基づきシステムの機能を文書化する役割を担います。


    仕事内容2:現状分析


    ITコンサルタントの仕事には、ヒアリング内容に基づいて課題を実際に分析し、改善点を明らかにしていく業務も含まれます。
    例えば、業務フローや現状のシステム、経営状況など、既存プロセスを可視化するためにさまざまなデータを分析し、現状を正しく把握しなければなりません。

    コンサルタントのなかでも特にITコンサルタントは、ITシステムの導入を進め、ミクロな視点での経営課題解決を目指します。


    仕事内容3:システムの設計や開発


    近年ITコンサルタントを専門とする会社においても、従来のコンサルタント業務に加えシステム構築まで踏み込むケースも増加しています。
    そのため、ITコンサルタントもシステムの設計から開発といったプログラミングを担当する場合もあります。

    ただし、システムの設計や開発、動作テストなど一連の開発工程は、SEやプログラマーがメインで担うのが一般的です。 一方で、ITコンサルタントは上流工程用のプログラミング言語を担当します。


    仕事内容4:解決案の提案


    ITコンサルタントの技量が最も試されるのが、解決案の提案業務です。 一連の分析や開発がひと段落すれば、以下の内容を提案書にストーリー仕立てでまとめて顧客に報告します。


    • 顧客が抱える課題や原因
    • 問題分析
    • 課題解決方法の提案
    • コスト
    • アフターフォロー

    • 仕事内容5:プロジェクトのマネジメント実行


      従来プロジェクトマネージャーの業務に該当する内容に関しても、ITコンサルタントが担うケースが増加しています。

      例えば、提案の合意が得られた場合には、導入サポートや運用保守、顧客側の現場スタッフの育成支援など、プロジェクトが円滑に進むようにマネジメントを実行します。

      このようにITコンサルタントはマネジメント等を通じて社外ともコミュニケーションを必要とする一方で、SEは社外と接する機会が少ない点が両者の大きな違いです。

ITコンサルタントの業務領域の拡大

ITコンサルタントの業務領域の拡大

IT技術を用いて業務改善を図る「DX化」のニーズが増えているなか、ITコンサルタントの需要も拡大しています。

例えば、オフィスレス化の実現に向けて、企業のDX戦略に基づいた計画の策定やニーズの分析、適切なテクノロジーの選定、導入計画にITコンサルタントが必要です。また、クラウドサービスの活用やセキュリティ対策の導入など、オフィスレス環境に適した技術の提案・選定もITコンサルタントの役割です。

こうしたDX化は業界を問わず進められており、ITコンサルタントの役割はますます重要度を増しています。そのため、今後も業務領域が拡大することが予想されます。

ITコンサルタントになりたい方が持つべき知識やスキル

ITコンサルタントになりたい方が持つべき知識やスキル

ITコンサルタントの幅広い業務をこなすためには、豊富な知識とスキルが求められます。ここでは、ITコンサルタントになりたい方が持つべき知識やスキルを4つ紹介します。

  • IT戦略を立てる力
  • コミュニケーション力
  • プログラミング言語やITツールなどのIT知識
  • リーダーシップ力

自身のスキルと照らし合わせながら、ITコンサルタントになるにはどのようなスキルが必要なのかを具体的に見ていきましょう。


スキル1:IT戦略を立てる力


企業の成長戦略に合った効果的なIT戦略を立てる能力は、ITコンサルタントにとって非常に重要です。ITコンサルタントとして顧客の希望を叶えるためには、顧客が掲げるビジョンとの整合性を保ちながら、リスクを考慮したうえで技術投資やシステム改善を提案しなければなりません。

また、新技術の導入や業界の変化に適切に対応するためには、市場の変化や新技術の動向を捉えながら、柔軟に対応するスキルが求められます。

ビジョンとビジネス戦略との整合性、顧客に対する貢献度の最大化、リスク管理の観点から、綿密な分析と柔軟な発想、これらの要素をバランス良く持ち合わせている必要があります。


スキル2:コミュニケーション力


ITコンサルタントはヒアリングや、プレゼンテーション、マネジメントなど、業務上でコミュニケーションを取る機会が多くあります。
相手との食い違いをなくすためには論理的に話す能力も重要ですが、それ以上に相手の話に集中して聴く能力である「傾聴力」が求められます。

コミュニケーションが苦手な方はITスクールに通い、プレゼン指導からコミュニケーションのノウハウを習得するのも1つの方法です。

スキル3:プログラミング言語やITツールなどのIT知識


質の高いコンサルティングには、ソフトウェアからハードウェア、セキュリティに関する知識まで、さまざまなITに関する知識が必要です。
また、システム開発工程に携わらない場合にも、自社サービスに対する理解を深めるためにプログラミング言語の理解も必要不可欠です。

特にIT業界以外から転職する場合には、ITスクールや関連資格の取得を通じてITに関する知識を習得するとよいでしょう。


スキル4:リーダーシップ力


プロジェクトを遂行するうえで、ITコンサルタントには顧客とプロジェクトメンバーをうまくリードする「リーダーシップ力」が欠かせません。
メンバーとの信頼性の構築と、綿密なコミュニケーションを欠かさないことが重要といえます。

前職にてプロジェクトマネジメントの経験がある方は、ITコンサルタントへ転職する際にも有効なアピール材料となります。 経験がない方は、日々の仕事からリーダーシップについて学ぶよう心掛けていきましょう。

ITコンサルタントに必要なスキルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。



ITコンサルタントの年収や転職成功のポイント

ITコンサルタントの年収や転職成功のポイント

ITコンサルタントに興味がある方のなかには、ITコンサルタントの年収や転職事情について知りたい方も多いのではないでしょうか。

ここではITコンサルタントの年収相場や転職市場、求められる人物像について解説します。


ポイント1:ITコンサルタントの平均年収


「求人ボックス」によると、ITコンサルタント全体の平均年収は644万円(2023年8月23日現在)と公表されています。 同サイトにて、ITエンジニア全体の平均年収は497万円であるため、IT業界のなかでも高い方に分類されるでしょう。

このような年収の高さも魅力の1つとなり、SE等の現場経験が豊富な方や、コンサルタント経験のある方など、さまざまな職種や業界からの転職先として人気です。


ポイント2:ITコンサルタントの転職市場の特徴


ITコンサルタントの転職市場は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、需要が拡大しています。

さまざまな業界や規模の企業で、ITコンサルタントの専門知識とスキルが求められている一方、競争も激化しており、他のITコンサルタントとの差別化が重要です。分析力や提案力、プロジェクトマネジメント、コミュニケーション能力といったスキルがあれば、市場価値の高い人材として重宝されるでしょう。

激化する競争の中でコンサルティングファーム、大手企業のIT部門、新興テック企業など、ITコンサルタントの活躍の場は広がっています。

ITコンサルタントの転職市場は需要増加と多様性が特徴であり、幅広いスキルと戦略的なアプローチが成功への鍵です。競争の中で他のITコンサルタントとの差別化を図りつつ、自分に合う転職先をみつけることで、豊かなキャリアを築くことができるでしょう。

ITコンサルタントのキャリアパス

ITコンサルタントのキャリアパス

ITコンサルタントのキャリアパスは多岐に渡ります。コンサルティングファームでのキャリア構築では、アナリストからスタートし、スペシャリストとしての強みを伸ばし、マネージャーへ昇格することを目指すのが一般的です。プロジェクト全体を統括するマネジメントや特定領域の専門家としてキャリアを築くことも可能です。

所属企業で管理職を目指す道もあります。マネージャー職へ昇格したら、パートナーとして経営に携わる道もあります。ITコンサルタントとして培ったスキルをSIerや事業会社などで生かすことも可能で、実力があればどんどん選択肢を増やせます。

ただし、どのような選択をするとしても、重要となるのは柔軟性と成長意欲です。様々な経験を通して専門性を深めつつもリーダーシップや経営感覚を養うことで、キャリアパスの可能性を広げることができます。自身の強みを最大限に活かし、常に新たなチャレンジを続ける姿勢が、ITコンサルタントとしての充実したキャリアを築くうえで欠かせないものとなるでしょう。

ITコンサルタントの仕事内容に適性がある方

これまでに解説してきた仕事内容や、持つべきスキルを踏まえて、ITコンサルタントの仕事内容に適性がある方を紹介します。

ITコンサルタントの仕事内容に適性があるのは、次のような方です。


ITコンサルタントの仕事内容に適性がある方

特に未経験からITコンサルタントを目指したい方は、自身の性質と照らし合わせながら適性があるかどうかを判断してください。

適性がある方1:高い向上心がある


豊富な知識やスキルを学び続けるためには、高い向上心が必要です。また、プロジェクトを完遂するうえでも、目標以上のパフォーマンスを目指す気持ちが重要となるでしょう。
実際に、現役のITコンサルタントとして活躍できている方の多くが、目標に向けて常に成長し続ける姿勢を持ち合わせています。

向上心を高めるためには、日ごろから意識的に目標を立て前向きに行動を起こすとよいでしょう。


適性がある方2:数学に抵抗がない


厚生労働省が提供する「jobtag」のITコンサルタントにおける「しごと能力プロフィール」によると、重要なスキルの1つに数学が挙げられています。

また、ITコンサルタントは分析をするため数字リテラシーも必要です。
数字リテラシーとは、微分等の高度な数学の知識ではなく、数字から変化や関係性を見出し全体の仕組みをロジカルに理解できる能力を指します。
数学力や数字リテラシーを習得するためには、数学に対する苦手意識を持たないことが重要です。

適性がある方3:プレッシャーに強い


ITコンサルタントは企業経営に関わる仕事であり、その分大きなプレッシャーがかかります。
例えば、顧客からの圧力や、チームメンバーとの摩擦、数値で現れる客観的な実績など、人間関係や成績におけるさまざまなストレスに耐えなければなりません。

大きなプレッシャーにも耐えうる精神力に自信がない方は、楽観的な思考方法や自身に合ったストレス発散の方法を模索しながら仕事にとりかかるとよいでしょう。

未経験からITコンサルタントを目指す方法

未経験からITコンサルタントを目指す方法

これまで解説してきたように、スキルの乏しい未経験の状態からITコンサルタントに転職するのは簡単ではありません。
ここでは未経験からITコンサルタントを目指す方法について、以下の2つを紹介します。


  • IT系の資格を取得する
  • ITを学べるスクールでスキル習得

それぞれのメリットやデメリットを踏まえ、どのような方に適している方法かについても解説します。


方法1:IT系の資格を取得する


未経験から目指す場合には、ITに関する知識の高さを証明しなければなりません。

そこで、以下のような資格取得を通じて、ITコンサルタントの仕事に生かせるITスキルをアピールすると効果的です。



ITストラテジスト
運営 IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:15%前後
合格ライン
午前試験Ⅰ・Ⅱと午後試験Ⅰで、60点以上/100点満点
受験方法
CBT
試験会場で実施

(参考:令和3年度4月試験 ITストラテジスト試験 合格発表 分析コメントと今後の対策


応用情報技術者試験
運営 IPA独立行政法人 情報処理推進機構
受験料(税込)
7,500円
難易度
合格率:20%前後
合格ライン
60点以上/100点満点
受験方法
CBT
年2回(春・秋)

(参考:応用情報技術者試験ドットコム


ITコーディネータ試験
運営 ITコーディネータ協会
受験料(税込)
19,800円
難易度
合格率:約50%~70%
合格ライン
正答率:約60%~80%(非公式)
受験方法
CBT
随時

(参考:ITコーディネータ協会 ITコーディネータ試験合格者数推移


転職の際にこれらの資格をアピールできれば、スキルの証明とともに高い向上心が認められ、好印象を与えられるメリットもあります。
ただし、資格取得までに長い時間を要するケースもあります。時間効率を重視する方には、資格取得よりもITスクールを利用する方が適しているでしょう。


方法2:ITを学べるスクールでスキル習得


ITスクールを利用することで、ITコンサルタントの実務に必要なスキルを総合的に獲得可能です。
例えばITスクールでは、ネットワークやサーバーの基礎知識から、最近流行りのDXやAI技術まで学べるような幅広い内容の講座が提供されています。

また、未経験の方がITスクールに通うメリットは、たくさんあります。

  • ITの知識に加えてビジネススキルも学べる講座もあり、総合的な実力が高まる
  • 1年以内で完結する講座が多く、時間効率が良い
  • 学びたい内容に合わせて講座を選べて、それぞれに必要なスキルを網羅できる
  • プロに質問できる環境があり、正しい知識を得られる

効率良くIT知識を習得したい方は、ITスクールの利用を検討するとよいでしょう。
スクール選びの参考になる記事をまとめましたので、詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。

▶ 【これが結論】ITスクールの適切な通学タイプ(オンライン・通学)は性格で決めるべき!
▶ ITスクールの無料体験・カウンセリングって何?入学前に受けておくべき理由を紹介
▶ 【無料or稼ぎながら】ITスキルを学ぶお得な学習法
▶ 転職・副業したい方におすすめ!ITスクールの選び方や注意点を解説

まとめ:ITコンサルタントの仕事に活かせる知識を習得するならITスクールへ

ITコンサルタントの仕事内容は、ヒアリングから現状分析、プロジェクトのマネジメント実行まで多岐に渡ります。ITコンサルタントとしての仕事をこなすためには、ITやプログラミング言語の理解に加え、コミュニケーションやリーダーシップといったヒューマンスキルも必要です。

ITコンサルタントは年収が高く、需要も高いため、未経験からの転職は難しいとされていますが、ITスクールに通うことで技術的なスキルを習得できます。

ITスクールでは、最新の技術やトレンドを踏まえたプログラミング言語など、基本的なスキルを学ぶことができます。実践的なプロジェクトに取り組んでスキル向上も可能です。

未経験からITコンサルタントを目指す方はITスクールに通うことでスキルを高め、転職に活かせる競争力を高めましょう。


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