フリーランスITエンジニアは稼げる? 平均年収や未経験からなる方法を紹介

フリーランスITエンジニアは稼げる? 平均年収や未経験からなる方法を紹介

フリーランスITエンジニアは、企業に雇用されることなくフリーで仕事を受注して報酬を得るタイプのITエンジニアです。自由度の高い働き方が利点である一方、自分で案件を獲得しなければならず、収入が不安定になりやすい点に注意が必要です。

今回はフリーランスITエンジニアになりたい方・興味がある方に向けて、働き方やメリット・デメリット、未経験からITエンジニアになる方法、安定して稼ぐ方法を解説します。

フリーランスITエンジニアとは

フリーランスITエンジニアとは

まずはフリーランスITエンジニアの説明や、フリーランスの定義などを説明します。フリーランスITエンジニアの2つの契約形態についても解説するので、参考にしてください。

ITフリーランスとは


ITフリーランスとは、ITスキルを活かして仕事をする個人事業主のことです。顧客から仕事を受注し、プログラミング、システム開発、Webデザインなどのスキルを駆使しながら、依頼に合わせて制作物を納品します。

業務形態は個人事業主ですが、自宅やレンタルオフィスで仕事をするケースもあれば、企業から仕事を受け、オフィスに常駐して仕事をするケースもあります。

フリーランスの定義とは


フリーランスとは、厚生労働省の定義によると「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」を指します(※1)。つまり誰かと雇用契約を結んだり実店舗を持ったりすることのない働き方です。

フリーランスは、労働基準法などの労働関係法令が適用されない場合があるので注意しなければなりません。なぜなら労働基準法は労働者のみを対象にした法律であり、フリーランスは対象ではないからです。

労働基準法の第一章、九条では「この法律で『労働者』とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と規定されています(※2)。フリーランスはここでいう「労働者」に当たらないため、労働時間の上限や有給休暇の制度は当てはまりません。

※1 参考:厚生労働省「 フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン 」(2024年6月17日現在)
※2 参考:e-Govポータル「労働基準法」(2024年6月17日現在)

フリーランスITエンジニアとしての働き方


フリーランスITエンジニアにはどのような働き方があるのか、以下で2つの契約形態を説明します。

準委任契約(SES契約)


準委任契約は顧客のプロジェクトに参加し、その指示のもとで業務を担うタイプの契約です。労働期間に対して報酬が支払われるので、指示さえ守っていれば報酬が発生します。

準委任契約と似た契約に「SES(システムエンジニアリングサービス)契約」があります。SES契約は企業に常駐してシステム開発や保守・運用などの業務を担う契約形態です。SES契約に明確な定義はありませんが、準委任契約として解釈することが多いです。

準委任契約は顧客に直接指示を受けながら業務を遂行するため、ニーズやプロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握しやすいメリットがあります。また定期的な報酬が見込めることから、安定した収入を得やすいです。

請負契約


請負契約は、あらかじめ定められた成果物を納品することが目的の契約です。業務中は顧客の指示ではなくフリーランス側の方法で作業します。完成したものを納品する点で、準委任契約と異なります。

請負契約のメリットは作業方法やスケジュール管理の自由度が高く、柔軟に仕事ができる点です。また高品質の成果物を納品して評価を積み重ねれば、案件が次々と舞い込むチャンスがあります。

リモートワークの場合、ほとんどが請負契約を採用しています。請負契約はITエンジニア側で作業時間を設定できるので、ライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすいでしょう。

フリーランスITエンジニアは稼げる? 平均年収を紹介

フリーランスITエンジニアは稼げる? 平均年収を紹介

フリーランスITエンジニアは、個々の実力によって仕事量が左右されやすい業務形態です。実際にどれくらい稼げるのか、平均年収のデータをもとに紹介します。

フリーランスITエンジニアの年収は約780万円


フリーランスITエンジニアの年収について、求人ボックスで調べると、フリーランスのシステムエンジニアの平均月給は64.7万円であることが分かります。(2024年4月14日時点)
月給約65万円として年収換算すると約780万円です。「令和5年分国税局民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の一人当たりの平均給与は460万円なので、1.7倍である年収780万円は平均以上の年収額といえます。

ただし、あくまで平均値をもとに算出した年収であり、実際はITエンジニア個人の実力や仕事ぶりによって差が出てくることがあるので注意しましょう。

正社員ITエンジニアの年収の違い


求人ボックスのデータによると、正社員ITエンジニアの平均年収は約469万円です。(2024年10月2日時点)
給与所得者の一般的な平均給与は460万円なので、469万円という数字はほぼ平均値といえます。またフリーランスITエンジニアの平均年収は約780万円なので、かなり差があることが分かります。

フリーランスITエンジニアの方が年収は高く見えますが、正社員のメリットを受けられないなども理解した上で自分に合う働き方を選択しましょう。

フリーランスITエンジニアの現実は? メリット・デメリットを解説

フリーランスITエンジニアの現実は? メリット・デメリットを解説

フリーランスITエンジニアという働き方には、メリットもあればデメリットもあります。双方をよく踏まえた上で、フリーランスITエンジニアとしての働き方を選ぶかどうか検討することが大切です。

フリーランスITエンジニアのメリット


フリーランスITエンジニアには、主に以下のメリットがあります。

  • 高い年収を得られる
  • ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる
  • 幅広い技術や知識を身に付けられる
  • 仕事を選びやすく、転職もしやすい


まずフリーランスの場合、スキルや実力が直接収入に反映されやすく、会社員よりも高い年収を得ることが可能です。またフリーランスは常駐型でなければ毎日会社に出社する必要がなく、勤務地や勤務時間などを自分で自由に設定できます。

さまざまなタイプのプロジェクトに参加することで幅広い知識やスキルを身に付けられ、次の仕事に活かせるのも利点です。自身の豊富なスキルと経験を活かし、自分に合う仕事を選びやすくなり、正社員として転職する際も役に立つでしょう。

フリーランスITエンジニアのデメリット


一方、フリーランスエンジニアのデメリットは以下のとおりです。

  • 収入が安定しづらい
  • 社会保険は自腹
  • 社会的信用度が低い
  • 高い自己管理能力が求められる


まずフリーランスITエンジニアは会社員のように毎月一定の給与が保証されているわけではないため、安定した収入を得づらいデメリットがあります。また常に自己研鑽を積み継続して実力アップを図らないと、年収が上がらない不安もあるでしょう。さらに社会保険料は会社と折半できず全て自分で支払わなければなりません。

一般的にフリーランスは会社員と比べて社会的信用が低いと見なされがちであり、住宅ローンの審査などで不利になる可能性もあります。働き方の自由度が高い反面、集中力の持続や納期遵守など、高い自己管理能力が求められる点にも注意しましょう。

未経験からフリーランスITエンジニアになるには

未経験からフリーランスITエンジニアになるには

未経験からでもフリーランスITエンジニアになることは可能です。以下では未経験からフリーランスITエンジニアになるための方法を解説します。フリーランスITエンジニアへの転身を検討している方は参考にしてください。

まずは副業で実績を作る


まずは副業から始めて実績を作るのがおすすめです。なぜなら、いきなり未経験から独立してもなかなか仕事の依頼は来ないからです。初めは小さなプロジェクトから徐々に実績を積み上げていき、ポートフォリオとして提示できるようにしましょう。スキルを上げつつ徐々に大きな案件に取り掛かるようにするとスムーズです。

会社員のうちに副業で実績を積んでおいた方が、実績のあるフリーランスとして顧客から評価されやすくなります。

開業届を提出する


フリーランスITエンジニアとして独立するためには、税務署へ個人事業主として開業届を提出する必要があります。開業届(個人事業の開業届出・廃業届出等手続)は、個人事業主が新たに事業を開始したとき、または廃業したときに税務署に届け出る手続きのことです。

個人事業主として事業を開始したときから1カ月以内に届ける必要がありますが、期限を過ぎてもペナルティはないとされています。

開業届を提出することで、プロフェッショナルとして評価されやすくなります。また白色申告から青色申告に移行でき、控除対象範囲が広がるので税務上でもメリットがあります。なお、青色申告は事業開始から2カ月以内に届出が必要です。

フリーランスで開業届を提出しているITエンジニアは、2023年10月に導入されたインボイス制度によって仕事の取り扱いや税務処理に影響を受ける可能性があります。

フリーランスITエンジニアとインボイス制度の関係については、以下の記事を参照してください。
インボイス制度がフリーランスエンジニアに与える影響まとめ

スクールでプログラミングの知識を身に付ける


未経験からでも安定して仕事を受注するために、ITスクールでプログラミングスキルを学ぶのもおすすめです。現代のIT社会においてプログラミングスキルは必須といえます。しかし未経験者がゼロから独学で習得するには困難が伴います。未経験者向けに設計されたコースがあるITスクールで、基礎から応用、実践まで学ぶ方が効率良くスキルアップできるでしょう。

フリーランスITエンジニアとしてコンスタントにオファーを受けるためには、顧客から「この人と一緒に仕事がしたい」と思われるレベルの高いスキルが必要です。ITスクールであれば、実践的なプロジェクトを通じて即戦力となるスキルを効率良く身に付けられます。

したがって未経験者は独学ではなくITスクールで学ぶのがおすすめです。興味がおありの方は、ITスクール検索サイト「マナビタイム」を活用して、自分に合ったスクールを探してみてください。

最新のITスクール情報・検索サイト | マナビタイム

フリーランスITエンジニアとして有利な資格

フリーランスITエンジニアとして有利な資格

フリーランスITエンジニアとして安定して高収入を得るためには、資格を持っていると有利になることがあります。

以下では取得しておくと便利な資格を3つ紹介します。資格取得のための勉強はそのまま実務にも活かせるので、ぜひ参考にしてください。

ITパスポート


ITパスポート試験は、ITに関する基礎的な知識があることを証明できる国家試験です。具体的には、AI、ビッグデータ、IoTなどの「新しい技術」、アジャイルなどの「新しい手法」に関する知識をはじめ、経営全般やIT全般の基本知識、プロジェクトマネジメントの知識などが問われます。

現代はビジネスのどの分野でも、ITなくしては成立しません。よって、さまざまな企業でITの基礎知識を有した人材を求めているのが現状です。ITパスポートを取得している人材であれば、顧客も安心して仕事を依頼できるでしょう。

基本情報処理技術者


基本情報処理技術者は、IT全般に関する基本的な事項を理解し、実践的な活用ができるスキルを身に付けるための資格です。ITエンジニアとしてキャリアをスタートする際に取得しておきたい資格といえます。

また情報処理技術者試験制度は1969年スタートと歴史が長く、ITに関する知識・スキルの客観的評価指標として信頼があります。

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)


マイクロソフトオフィス スペシャリストは、Excel・Word・PowerPointなどのMicrosoft Office製品の知識や、操作スキルを客観的に評価・証明する資格試験です。実践的なパソコンスキルがあることをアピールするのに役立ちます。

1997年の試験開始以来、2023年9月14日時点で500万人を超える方が受験しており、パソコン分野では国内最大規模の資格試験です。またMicrosoft Officeはビジネスシーンで最も広く使われているアプリケーションなので、どの業界のITプロジェクトでも即戦力として活躍できます。

まとめ:フリーランスITエンジニアで今よりもっと稼ごう!

フリーランスITエンジニアは、実力次第で安定して稼げる仕事です。未経験でも少しずつ実績を積み上げ、資格を取得することで、受注数アップを目指せます。また働く時間や場所を自分で設定でき自由度が高いので、ワークライフバランスを取りながら働けるのも魅力です。

一方でコンスタントに収入を得られるようになるまで時間がかかる側面もあります。初めは小さな案件からコツコツと挑戦し、経験とスキルを磨いていく必要があります。

ITエンジニアに必要な知識やスキルを効率良く習得し、フリーランスとして独立を目指すなら、ITスクール情報・検索サイトのマナビタイムを利用して、欲しいスキルを学べるITスクールを探してみてください。プロの指導を受けて、一人前のITエンジニアを目指しましょう。

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