昨今、日本のIT人材不足が問題視されています。経済産業省のデータによると、2030年には最大79万人もの人材が不足する状況に陥るといわれています。
これからIT人材の需要はますます拡大していくと予想できるので、インフラエンジニアに転職を考えている方にはチャンスです。
▶︎ 【IT系スキルを磨かなきゃマズい!】20年後にはなくなっている仕事・これから需要が伸びていく仕事
中には未経験からインフラエンジニアへの転職を考えて不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、未経験からインフラエンジニアへの転職を考えている方向けに、仕事内容や、未経験からの転職方法を解説していきます。
読み終えた頃には、インフラエンジニアの仕事や種類、効果的な勉強方法がわかるようになるでしょう。
計画的に転職活動を進めるために、しっかり内容をチェックしてください。
インフラエンジニアの「インフラ」とは「インフラストラクチャー(Infrastructure)」の略です。社会や経済、あるいは生活の基盤となる必要不可欠な施設やサービス、機関、制度、仕組みを指します。
IT業界におけるインフラの定義は、私たちがシステムやインターネットを使用するために必要な「サーバー」や「ネットワーク」を指します。そして、これらの設計・構築・運用・保守に携わる技術者が「インフラエンジニア」です。
インフラエンジニアの仕事内容は、担当する技術領域によって分野が分かれています。
インフラエンジニアが携わる仕事は多岐にわたりますが、主な仕事は次の5つです。
どれもプロジェクトを進めるために、重要な役割を担っています。
この基本的な仕事を理解し、インフラエンジニアの仕事の具体的なイメージを持ちましょう。
ここからは、この5つの仕事についてわかりやすく説明していきます。
要件定義はシステムを開発するうえで必須の仕事内容です。
要件定義とは、顧客にとって必要な機能を確認して、どんなシステムを作るかを定めることです。プロジェクトを進めるうえでの土台作りとなる大切なフェーズとなります。
そのため、顧客との認識に行き違いがないようにコミュニケーションをとり、形にしていく努力が必要です。最終的に、成果物として「要件定義書」を顧客に提出します。
設計には、次のフェーズがあります。
【基本設計】
要件定義で作成した「要件定義書」をもとに、システム基盤の概要について、システム構築の際の方針、方式レベルを設計します。
簡単にいうと、ハードウェアや仮想化環境を含めたサーバーの用途やスペック、OS、ドメイン名などを定義していく仕事です。「要件定義書」がベースとなっており、基本設計では全体像を決めていきます。
このフェーズでまとめたものを「基本設計書」と呼び、こちらも顧客に提出する成果物です。
【詳細設計】
「基本設計書」で定めたシステム構築の方針や方式に沿って、具体的にどのようなパラメータ設定、ミドルウェア、ソフトウェアの適用および稼働設定をするのかを、定めていきます。
【テスト仕様の策定】
これまでに基本設計、詳細設計で定めた項目に対し、テストフェーズで確認します。要件定義やそれぞれの設計工程で定めた内容が、正しく実現されていることを示せる試験項目を作ります。
※オンプレミス:企業で利用しているシステム構築に必要なサーバーなどの機器を自社で購入し運用すること
ネットワークに関する機器に触れる機会もあるので、ガジェットや最新機器が好きな方には楽しい仕事かもしれません。
テストとは、構築したシステムが設計書通りに作られているかを確認するフェーズです。設定内容や設計書などの、ミスを精査するために必要な仕事になります。
また、ソフトウェアのバグにより想定通りの動きにならないエラーにも対処する必要があります。
テストは、制作物の品質を担保するものです。テストでエラーやバグをなくし、顧客に高品質の成果物を提供できるよう取り組む姿勢が大切です。
運用・保守は、ヘルプデスクや監視オペレーターの側面もあるため、顧客の質問に答えることや、24時間体制でシステムを監視する仕事もあります。
こういったインフラエンジニアの仕事はマニュアル化されており、専門的な知識や技術が足りなくても対応できます。
そのため、IT業界未経験者でも参入しやすい分野といえます。
ただし、将来的に設計・構築に携わりたいのであれば、相応の経験を積み、スキルの習得が必要でしょう。
インフラエンジニアは担当する技術領域によって、次の3つの種類に分かれます。
どんなインフラエンジニアになりたいか考え、転職先を選びましょう。
【種類別】インフラエンジニアの仕事内容|適性や生かせる資格を徹底解説
インフラエンジニアは資格が必須の職業ではないため、資格がなくても仕事はできます。
しかし、未経験から転職する場合は、資格や独学での開発経験の有無が、内定に大きく影響します。
未経験からインフラエンジニアに転職する方法は、次の3つです。
インフラエンジニアとして活躍するために、自身にあった戦略を立てて行動していきましょう。
これらの資格の詳細について以下の表でまとめました。
ITパスポート試験 | |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:約50% |
合格ライン | 総合評価点:600/1,000点以上 分野別評価点:各300/1,000点以上 |
受験方法 | CBT 随時 |
(参考:IPA独立行政法人 令和3年度「iパス(ITパスポート試験)」の年間応募者数等)
基本情報技術者試験 | |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:25%前後 未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 随時 |
(参考:基本情報技術者試験ドットコム)
Linux技術者認定 LinuC レベル1(101試験、102試験) | |
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運営 | 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン |
受験料(税込) | 1科目:16,500円 |
難易度 | 合格率:非公開 |
合格ライン | 正答率:およそ65%〜75% |
受験方法 | CBT 随時 |
シスコ技術者認定資格 CCNA | |
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運営 | Cisco Systems社 |
受験料(税込) | 36,960円 |
難易度 | 合格率:非公開 |
合格ライン | 正答率:非公開 |
受験方法 | CBT 随時 |
特に、ITパスポートは経営全般・IT管理・IT技術といった幅広い分野の基礎が学べるため、初心者向けの資格といえます。これらの資格はインフラエンジニアに転職するためだけではなく、その先の仕事にも活かせる場面が多くあります。
働きながら勉強するのは時間の確保が難しいかもしれませんが、コツコツ続けて資格取得を目指しましょう。
IT人材は今後需要が高まっていく一方ですが、企業としてはスキルの高いインフラエンジニアを求めているため転職の難易度は低くはありません。
ほかの転職者と差をつけるためには、資格やスキルを取得しておくことをおすすめします。未経験の方は特に、ITスクールで効率よく学び、しっかりとスキルアップを重ねていくことが転職への近道です。
インフラエンジニアに転職を目指すなら、ITスクールでスキルアップしてからの転職を検討してみましょう。