システムエンジニアの平均年収・収入アップの方法を徹底紹介!

システムエンジニアは、IT業界でも人気の仕事です。
ソフトウェア開発における重要ポジションとなるため、年収はどれくらいか気になっている方も多いでしょう。システムエンジニアの平均年収が分かれば、就職・転職時の参考にもなります。
当記事では、システムエンジニアの平均年収や収入アップの方法を紹介します。システムエンジニアとして活躍することを目標にしている方は、ぜひ参考にしてください。
システムエンジニア(SE)とは?

システムエンジニア(SE)とは、ソフトウェアの設計や開発に携わる職種です。クライアントの要求をヒアリングし、プログラマーと協力してシステムを形にしていきます。
クライアントとプログラマーの間に立つことが多いため、専門知識だけでなくコミュニケーション能力も必要となるポジションです。
参考: SE(システムエンジニア)の需要や将来性が高い理由は?プロが解説!| アクシス
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの仕事の流れは、以下の通りです。
●要求分析
クライアントが求めるシステムについて、詳しくヒアリングする作業です。打ち合わせを通してクライアントが抱える悩みや要望を聞き出し、どういったシステムがあれば解決できるかを検討します。
さらに、ソフトウェア開発における予算や納期についても、この段階で話し合うケースが多いです。
●要件定義
要件定義は、一言でまとめるとプロジェクトのゴールを設定する作業です。ヒアリング内容をもとにシステムの概要を明確化させ、クライアントの要望を実現できるかどうか、予算内に抑えられるかなどを正しく把握します。
概要が明確になっていないと作業工程が増えたり、仕様変更によって作業が進まなかったりと不都合が生じる恐れがあるため、非常に重要な工程です。
●基本設計
ソフトウェアの大枠を作成していく作業です。レイアウトやネットワークの構成など、ソフトウェアの全体像を決めていきます。
●詳細設計
基本設計でソフトウェアの基盤を作成後、細かな設計を進めていきます。プログラマーが対応したり、システムエンジニアが自らプログラミングをしたりなど、対応の仕方は企業によってさまざまです。プログラマーが詳細設計を担当する場合は、システムエンジニアに特別なプログラミングスキルがなくても務まります。
しかし、プログラマーに分かりやすい設計を作るために、ある程度プログラミング知識を持っている方が企業側に好まれるでしょう。
●テスト
プログラミングが完了したソフトウェアをテストする作業です。正しく動作するか、クライアントの要望を叶えられているかなどを確認します。
●運用・保守
作成したソフトウェアに不備がなければ、クライアントに納品します。納品をして完了ではなく、継続的にソフトウェアの運用・保守を担当することも少なくありません。

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容から年収まで完全ガイド
【項目別】システムエンジニアの平均年収

厚生労働省が公表した令和5年賃金構造基本統計調査によると、システムエンジニアの平均給料は以下の通りです。
年収 | 約684万円 |
---|---|
月収 | 約47.7万円 |
賞与 | 約111.9万円 |
(参考:e-Stat 政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」)
企業規模別
企業規模 | 年収 |
---|---|
大企業 (1,000人~) | 約747万円 |
中企業 (100~999人) | 約648万円 |
小企業 (10~99人) | 約678万円 |
※きまって支給する現金給与額 × 12(ヵ月) + 年間賞与その他特別給与額
(参考:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
一般的に、IT企業は規模が大きければ大きいほどクライアントとの直接的なやり取りが多くなる傾向にあります。報酬もそのままIT企業に入ってくるため、売上が立ち、システムエンジニアの平均年収も高くなりやすいとされてきましたが、小企業の給与も以前より増加傾向にあります。
経験年数別
経験年数 | 年収 |
---|---|
1年未満 | 約471万円 |
1~4年 | 約485万円 |
5~9年 | 約594万円 |
10~14年 | 約664万円 |
15年以上 | 約744万円 |
※きまって支給する現金給与額 × 12(ヵ月) + 年間賞与その他特別給与額
(参考:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
基本的に、経験年数が長ければ長いほど、年収も高くなります。
未経験あるいは経験が浅いシステムエンジニアは即戦力となりにくいため、最初は年収も低いです。特に、実力主義の傾向にあるIT業界においては、スキル・経験の少なさは痛手となるでしょう。
しかし、経験年数を重ねていくことでスキルが身についていくため、徐々に企業への貢献度が上がり、必然的に年収も増えていきます。
年齢・性別
年齢 | 年収/男性 | 年収/女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 約368万円 | 約381万円 |
25~29歳 | 約488万円 | 約501万円 |
30~34歳 | 約643万円 | 約529万円 |
35~39歳 | 約745万円 | 約750万円 |
40~44歳 | 約721万円 | 約507万円 |
45~49歳 | 約800万円 | 約593万円 |
50~54歳 | 約798万円 | 約725万円 |
(出典:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
システムエンジニアは、年代が上がるにつれて業務の幅も広がっていくため、年収も徐々に上がる傾向です。
定年近くになると年収は下がるものの、システムエンジニアは賞与額が高いことも特徴で、全体的に高い給与水準を維持できています。
また、性別によっても年収が異なることがわかります。とは言え、IT業界は経験やスキルが重視される業界でもあるため、性別によって多少の違いはあっても大きく差が出ることは少ないでしょう。
システムエンジニアが年収アップを目指すには?

今まで紹介してきた年収は、あくまで平均的な金額です。企業への貢献度を上げれば、平均以上の年収をもらえる可能性もあります。
では、具体的に何をすれば年収をアップさせられるのでしょうか。
ここからは、システムエンジニアが年収アップを目指す上でやるべきことを5つ紹介します。
業務に関連する資格を取得する
資格は、その人がどういった知識・スキルを身につけているかを証明してくれるものです。
資格を獲得できるだけの知識・スキルがあると企業側が判断できるため、給料にも反映させやすくなります。
システムエンジニアだと以下のような資格を持っていると、年収アップを期待できるでしょう。
基本情報技術者試験(FE)
IT関連資格の中でも基礎的な内容で、IT知識の基盤があることを証明できる資格です。
基本情報技術者試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:47.1%(令和5年度合計) 未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 随時 |
(参考:基本情報技術者試験の合格率は?)
応用情報技術者試験(AP)
ITの技術的な部分だけでなく、管理・経営といった広範囲が出題される試験で、専門性の高さを証明できます。
応用情報技術者試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:20%前後 |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 年2回(春・秋) |
(参考:応用情報技術者試験ドットコム)
システムアーキテクト試験(SA)
システムの開発や設計など、実務に関する内容で、即戦力になれることをアピールできます。
システムアーキテクト試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:15%前後と低め |
合格ライン | 各試験区分(午前I、午前II、午後I、午後II)で60点以上/100点満点 |
受験方法 | 年1回 (4月) |
(参考:日本資格取得支援 システムアーキテクト)
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークに関する知識をメインとした上級者向け資格で、難易度が高く豊富な知識があることをアピールできます。
ネットワークスペシャリスト試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:12%〜15%前後と低め |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | 年1回 (4月) |
オラクルマスター
難易度が4つに分けられている資格で、世界トップシェアのデータベースを扱えるだけの技術があると証明できます。
レベル別試験内容 | ||
---|---|---|
認定レベル | 認定資格 | 求められる知識 |
Bronze(ブロンズ) | ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 | IT業界でシステム開発をするのに最低限必要な知識水準 |
Silver(シルバー) | ORACLE MASTER Silver DBA 2019 ORACLE MASTER Silver SQL 2019 | PGやSEの業務がおこなえのレベルの知識 |
Gold(ゴールド) | ORACLE MASTER Gold DBA 2019 | DBAとしてオラクルを運用するのに必要な知識が中心 |
Platinum(プラチナ) | ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c | 実務でオラクルのDBAとして働いている方が対象の資格 |
なお、下記の記事ではシステムエンジニアに有利な資格を紹介しているため、ぜひ併せてご覧ください。
▶ システムエンジニアに有利な資格とは?おすすめ8選を紹介
業務に活かせるスキル・技術を習得する
スキルや技術が豊富だと、幅広い業務に対応できます。会社への貢献度も上がるため、年収アップの交渉もしやすくなるでしょう。
具体的には、以下のようなスキル・技術があるとIT企業から重宝されます。
- ヒアリング力・提案力:クライアントの悩みや要望を丁寧に聞き出し、的確な提案をすることでクライアントの満足度が上がり、企業の評判もよくなる
- IT関連スキル:プログラミングなどのIT関連スキルが身についていると、多くの業務に携われる上に、クライアントとの打ち合わせでも専門的な知識をもとにスムーズに話をできる
- 論理的思考力:クライアントのイメージと相違がないように、システムについて正しく説明ができる
- 管理能力:プロジェクトの管理をする立場となるため、スケジュール管理、メンバーの仕事量管理といった広範囲の管理ができる
システムエンジニアは、クライアントと接する機会が多いポジションとなります。クライアントと適切にコミュニケーションを取らなければならないため、ヒアリング力や提案力、分かりやすく説明するための論理的思考力といったヒューマンスキルが重要です。
加えて、プログラミングなどのIT関連スキルを備えていると、より企業に貢献できる存在となり年収アップに近づくでしょう。
なお、システムエンジニアに必要なスキルについては、下記の記事でより詳しく紹介しています。
▶ システムエンジニアに必要なスキル5選!スキルアップのための方法とは?
キャリアアップ・キャリアチェンジを図る
システムエンジニアとしての経験を活かし、キャリアアップ・キャリアチェンジを図ることで、年収を上げることが可能です。
例えば、システムエンジニアのキャリアパスには以下のようなものがあります。
- データサイエンティスト
- IoTエンジニア
- AIエンジニア
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
こういった仕事は、プログラミングスキルやIT関連の知識が求められるため、未経験から挑戦するには少々ハードルが高いでしょう。しかし、システムエンジニアの経験を持っていれば、高い年収で雇ってもらえる可能性が高まります。
キャリアアップ・キャリアチェンジを実現するためには、キャリアパスに合ったスキルを身につけなければなりません。専門性の高いスクールで学び、加えて資格も保有していると、求人の選択肢が広がります。
より良い条件の職場へ転職する
雇用条件は企業によって異なるため、今より良い条件の企業に転職できれば、必然的に年収もアップします。
例えば、以下のような企業を狙うのがおすすめです。
- 企業規模1,000人以上の大企業
- 平均年収額が高い地域にあるIT企業
ネット上にある求人から好条件の企業が見つからない場合は、転職エージェントを利用するのも1つの手段です。
転職エージェントでは、一般的には出回っていない非公開求人を取り扱っている場合があります。好条件の求人と出会える可能性があるため、積極的に利用してみるといいでしょう。
フリーランスとして独立する
フリーランスは、仕事をして得た報酬がそのまま自分の手元に入ってくる点が最大の特徴です。年収に上限がなく、努力次第で今までの何倍にも年収をアップできるでしょう。
また、会社に年収アップの交渉をする手間がないため、上司に相談をしにくいという方にとっては、ストレスの少ない選択と言えます。
システムエンジニアが資格取得・スキル習得を目指すためには

IT業界はスキルを重視する傾向にあるため、システムエンジニアとして年収を上げるためには、資格取得・スキル習得が重要となります。
- 実務で学ぶ
- 書籍で学ぶ
- プロのセミナーで学ぶ
- スクールで学ぶ
実務経験の中でスキルを身につけられると良いですが、異業種の仕事をしているなどでIT関連スキルを習得できる環境にいない方もいるでしょう。そういった方は、スクールで学ぶのがおすすめです。
スクールでは、IT関連の知識を専門的に学べるため、着実にスキル・知識を身につけられます。資格取得・スキル習得のために何から始めたらいいか分からない方も、スムーズに学習を進められるでしょう。
まとめ
システムエンジニアの平均年収は、約660万円となっています。しかし、企業規模や経験年数、年齢・性別などによっても細かに異なり、人によっては平均より100万円以上高い年収を得ている場合もあります。
年収アップを実現させるためには、資格取得を目指したり、キャリアパスや転職を検討したりすることが重要です。特に、資格取得・スキル習得は重要で、システムエンジニアに必要なスキル・知識を身につけるためには、自ら積極的に学んでいかなければなりません。
具体的な手段としておすすめなのは、スクールに通うことです。スクールであれば、着実にスキル・知識を身につけられます。