【エンジニア必見】C#資格のメリットとは? おすすめ資格、勉強法を紹介

20年以上の歴史を持つMicrosoft社が開発したプログラミング言語C#は、名の知れたゲームアプリの開発にも使われており、ゲームエンジン「Unity」でも採用されている汎用性の高い人気の言語です。
本記事ではC#の代表的な資格や、他のおすすめの資格について2024年9月現在の最新情報を解説します。
また、エンジニアがC#関連の資格を取得するメリットや、必要な勉強時間・勉強方法、C#資格取得後のキャリアパスも紹介するので、これから取得を検討する際はぜひ最後まで読んでみてください。
エンジニアにおすすめのC#の資格

C#は、Microsoft社が提供するプログラミング言語のため、C#に関連する資格もMicrosoft社が提供している資格が中心です。ただし、Microsoft社は方針変更が多く、既に廃止されたC#資格も多くあります。
ここからは、2023年8月から公開された「基礎C#認定資格(Foundational C# Certification)」など、C#の代表的な資格や、おすすめの資格を紹介します。
基礎C#認定資格
C#に関する資格として「試験 98-361: Software Development Fundamentals」がありましたが、2022年6月30日に廃止されています。
その代わりに、Microsoft社は2023年8月28日にfreeCodeCampと提携し、C#の認定資格として「基礎C#認定資格(Foundational C# Certification)」を公開しました。これが2024年9月時点では唯一のC#に関する資格です。
基礎C#認定資格(Foundational C# Certification) | |
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運営 | マイクロソフト社 |
受験料(税込) | 無料 |
難易度 | 合格率:非公開 |
合格ライン | 正答率:非公開 |
受験方法 | オンライン 随時 |
提携しているfreeCodeCampはアメリカの慈善団体で、プログラミングやコンピューターサイエンスなどの無料学習リソースを作成しています。基礎C#認定資格は完全無料である上、35時間のC#トレーニングコースが含まれているのも特徴です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験とは、IPA(情報処理推進機構)が実施するエンジニア向けの国家資格試験で、ITに関する幅広い知識が問われます。応用情報技術者試験は特定のプログラミング言語に偏った問題は出題されないため、C#に特化した資格ではありません。
応用情報技術者試験 | |
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運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:20%前後 |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 年2回(春・秋) |
(参考:応用情報技術者試験ドットコム
しかし、プログラミングをはじめ、マネジメントやストラテジーなど、幅広いスキルを問う内容が出題されます。エンジニアとしてのスキルアップに役立つ資格であると同時に、取得すれば幅広いスキルを証明できるでしょう。
Unity認定試験
Unity認定試験とはUnity Technologiesが実施しているUnityに関する知識や技術を問う認定資格です。
Unity認定試験 | |
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運営 | Unity Technologies |
受験料(税込) | 認定レベルによって異なる |
難易度 | 認定レベルによって異なる |
合格ライン | スコア500以上(スコアスケール200~700) |
受験方法 | CBT 随時 |
Unityは全世界で100万人以上が利用しているゲームエンジンで、C#が使われています。そのためUnityの資格取得を通して、Unityに関する基礎知識はもちろん、C#のプログラミングスキルも証明することができます。
ゲームエンジニアとしてのスキルを証明できるため、転職や就職活動にも活用できる資格です。
その他に役立つ関連資格
C#に関する資格ではありませんが、システム開発者であれば「システムアーキテクト試験」や「データベーススペシャリスト試験」などもおすすめです。
またマネージャーやコンサルタントを目指すのであれば「ITストラテジスト試験」や「プロジェクトマネージャ試験」「ITサービスマネージャ試験」「中小企業診断士試験」なども、スキルや知識の証明に役立つでしょう。
▶ システムエンジニアに有利な資格とは?おすすめ8選を紹介
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エンジニアがC#資格を取得するメリット

C#エンジニアになるために資格は必要ありませんが、取得しておくとさまざまなメリットがあります。以下で詳しく見ていきましょう。
C#の専門知識を学習できる
資格取得に向けた勉強を通じて、C#の専門知識を効率よく学習できます。またC#だけでなく、エンジニアに必要なさまざまな知識を身に付けることができるので、技術者としてさらに成長できる機会になります。
また、現在自分がどの程度の知識を有しているのか、習得度合いを確認できるため、自分の課題探しにも役立つでしょう。
年収・単価アップにつながる
資格を取得することにより、年収・単価アップにつながる可能性があることもメリットです。
資格を有していると給与交渉で優位になったり、昇格したりするチャンスが高まります。企業によっては資格手当が出る場合もあるので、給与アップを目指している方は取得しておくと良いでしょう。
スキル証明ができ、転職や独立に有利になる
資格を取得すれば、知識やスキルを客観的に証明できるため、転職や独立をする際に有利になる可能性が高くなります。世界共通の資格であれば、外資系への転職や、海外への進出にも役立つでしょう。
C#を使いこなせるIT技術者としてアピールでき、キャリアアップを目指すことも可能です。
C#資格の試験内容・難易度
ここではC#に関する資格の試験内容や難易度について解説するので、参考にしてください。
基礎C#認定資格:試験内容と難易度
「基礎C#認定資格(Foundational C# Certification)」を取得するには、Microsoft Learn(MSLean)で6つのコースを修了してから、「Foundational C# with Microsoft Certification Exam」に合格する必要があります。
試験は入門・基礎レベルの内容で、初歩的なC#のコードの記述から、コンソールアプリのデバッグまでを対象としています。
FreeCodeCampとMSLeanへのユーザー登録・サインインをすれば、Web上でコースの学習・試験を無料で受けることが可能です。ただし、試験は英語のみで実施されるため、英語をある程度理解できなければならない点には注意が必要です。
応用情報技術者試験:試験内容と難易度
令和5年度に実施された秋期試験では合格率が23.2%と、難易度が高めであることが分かります。合格率が低い分、取得すればスキルを評価されやすい資格だといえるでしょう。
また試験問題の出題範囲も広く、技術や管理、経営など幅広い知識と応用力が求められるため、実務経験を積んでいても試験対策をしなければ合格するのは難しいでしょう。
春(4月頃)と秋(10月頃)の年2回試験が実施されているため、試験日に合わせて過去問題や資料を参考に学習を進めるのがおすすめです。
Unity認定試験:試験内容と難易度
「Unity認定ユーザー : プログラマー」はUnity認定試験の中でも、初心者対象の試験で、初めて資格取得を目指す人にとっておすすめの試験です。
試験では、ゲームやアプリ開発だけでなく、AR・VR技術のように「xR系」と呼ばれるコンテンツ制作に関する知識も問われます。取得すればUnityに関する基本的な知識と、C#プログラミングスキルを習得しているという証明が可能となります。初心者向けとはいえ、Unityソフトウェアを使ってしっかりと勉強時間を確保する必要があるでしょう。
なおUnity認定試験には、初心者向けからプロレベルまで複数の試験が用意されているため、自分のレベルに合った試験から始めてみましょう。
エンジニアがC#資格を取得するために必要な勉強時間
C#認定資格を取得するための学習時間は、学習者のプログラミング経験や理解度によって異なります。ここでは一般的に目安とされる勉強時間を紹介するので、試験日までのスケジュールを組む際の参考にしてみてください。
基礎C#認定資格の学習時間の目安
C#の基礎を学ぶための学習時間は、初心者なら100〜150時間が目安とされています。他のプログラミング言語の経験者であれば、50〜80時間程度が目安です。
なお、前述のように基礎C#認定資格にはC#プログラミングの基礎を包括的に学べる35時間分の授業が付いています。そのため、少なくとも35時間は勉強時間を確保する必要があるため、計画敵に受講すると良いでしょう。
応用情報技術者試験の学習時間の目安
情報処理技術者試験の未経験者であれば、必要な勉強時間は500時間程だとされています。
既に基本情報技術者試験に合格している人や、エンジニアやプログラマーとして実務経験がある人であれば、基礎知識習得の時間が省けるため、200時間程度勉強に費やせば、合格できる可能性が高いでしょう。
Unity認定試験の学習時間の目安
「Unity認定ユーザー : プログラマー」の受験を検討しているのであれば、Unityソフトウェアを使用した勉強が最低でも150時間は必要です。
初心者を対象としている試験であり、基礎知識がないことを前提とした目安のため、学習者がどの程度の基礎知識を持っているかで勉強時間は大きく変わります。
エンジニアがC#資格を取得するためにおすすめな勉強方法

ここからは、C#に関する資格を取得するためにおすすめな勉強方法や注意点を解説します。
教材を使って独学で勉強する
まずは、教材を使って独学で知識を身に付ける方法から見ていきましょう。教材は紙の参考書や問題集、オンライン教材から選べます。
紙の参考書はインターネット環境がない場所でも手軽に勉強したい場合に向いています。好きなときにページをめくればすぐに勉強できるので、デバイスを起動する手間や、出先で充電を気にする必要がありません。書籍の場合でも最新版で学習すれば、言語仕様が変更した場合も対応可能です。
オンライン教材の場合は、インターネット環境さえあれば始められる上に、スマートフォンやタブレットでも勉強を進められます。本は重くてかさばるため気が進まないという方や、通勤時間などの空き時間を利用して学習したい方に向いています。
ただし、独学はその場で疑問を解決できないので初心者はつまずきやすく、モチベーションを維持しにくい一面があるので注意が必要です。
プログラミングスクールで勉強する
プログラミングスクールでの学習は、資格習得に向けて最適なカリキュラムが組まれているため、短期間で効率的な勉強が可能です。また疑問が生じた場合も、講師に聞いてすぐに解決できるため、確実な情報を得られる上、スムーズに学習を進められるでしょう。
仲間に相談することで、モチベーションを維持して挫折せずに学習を進められるのも、プログラミングスクールの特徴です。
近くに学校がない場合は、オンラインスクールもあるため、ぜひ利用を検討してみてください。

ゲームプログラマーになるには?必要なスキルと今から目指しても遅くない理由
エンジニアのC#資格取得後のキャリアパス
C#の資格取得後は、ゲームアプリケーションの開発や医療・教育現場でのシステム構築、製造業のシステム開発、一般企業のシステム管理など、幅広い分野で活躍する道があります。
ここからはC#に関する資格を取得した後に目指せるキャリアについて解説します。
C#エンジニア・C#スペシャリスト
C#の資格を取得したのであれば、C#エンジニアや上級SE/エンジニアとして年収アップを目指せる場合があります。専門性の高いエンジニアを目指したい方におすすめです。
C#に関する知識やスキルに特化した「C#スペシャリスト」として自身をアピールできれば、転職する際も専門性の高さが有利に働きます。
PM:プロジェクトマネージャー
PM(プロジェクトマネージャー)は、マネジメント業務を担当する職種を指します。主にプロジェクトの計画案やリソース・リスク・品質などの管理を行う立場です。
開発現場においてはシステム開発プロジェクト全体を指揮するため、決裁権限を持つ責任者となります。
エンジニアとして、プロジェクトリーダー(PL)を経験し、プロジェクトマネージャーになる道を進むエンジニアが多いです。
プロジェクトマネージャーは、エンジニアとしての技術を習得した上で、管理職としてのスキルを身に付ける必要があるため、エンジニアよりも年収は優遇される傾向にあります。
C#に関する資格と併せて、プロジェクトマネージャー試験のような資格の取得を目指せば、客観的なスキルや知識の証明となるためおすすめです。
CTO:最高技術責任者
CTOとは「Chief Technical Officer」の略称で、最高技術責任者という意味です。会社における技術全般を統括する役職で、専門的な技術や知識を扱う技術部門のトップとなります。
技術全般を統括する立場として方向性の決定や、技術開発に関する企画立案を行うのが、主な業務です。加えてエンジニアの採用を担当することもあるでしょう。
経営者層に近いポジションで、同程度の責任が求められるため、年収は優遇される傾向にあります。
CTOを目指すのであれば、まずは内部昇格をするのが必須です。他にも起業したり、ヘッドハンティングで転職したりすることで、CTOになる可能性が高まります。
まとめ:ITスクールで効率よくC#資格の取得を目指そう
C#の関連資格の取得は、エンジニアとしてのキャリアアップやスキルアップを目指す上で重要です。メリットが多いため、ぜひ取得を目指して積極的に勉強してみましょう。
資格取得は独学でも可能ですが、習得には時間がかかることに加え、スムーズに進まず挫折してしまう可能性があります。
特に基礎知識がなく、独学が不安な場合はプログラミングスクールに通うことを検討してみましょう。近所でプログラミング言語が学べるスクールやコースが見つかる「マナビタイム」を活用して、自分に合ったスクールを探してみてください。