Webデザイナーの副業市場や収益性

2018年に「モデル就業規則」が改訂され、国を挙げて副業・兼業が促進されています。

職種に関係なく副業を認めている企業の割合は、2023年時点で61％程度です。副業解禁以降、副業を容認する企業は右肩上がりで増加しています。一方で、副業を実際に行っている人は8〜23％程度と、まだ少数にとどまっています。

副業の月収は27,000〜96,000円程度が相場で、年代が上がるほど高収入を得ている傾向が見られます。

Webデザイナーの副業収入は、50,000円未満〜300,000円程度が中心です。

Webデザイナーは副業でも高収入を狙える職種として注目されています。

Webデザイナーの副業案件市場について

Webデザイナーの副業案件市場は年々拡大しています。

企業や個人がWebサイトを持つのが当たり前になり、Webデザイナーのニーズは高まっています。特に、即戦力となるスキルを持った人材は、さまざまな企業から求められています。

一方、スキルのあるWebデザイナーを正社員で雇うには人件費がかかり、多くの企業が人材不足に悩まされています。

そのため、副業人材やフリーランスのWebデザイナーの需要が高まっているのです。企業はコストを抑えながら、質の高いデザイン業務を依頼することができます。

副業解禁と人材不足の相乗効果で、副業Webデザイナーのニーズは今後さらに高まるでしょう。

Webデザイナーの副業案件の相場は？

Webデザイナーの副業案件にはさまざまな種類があり、内容によって報酬は異なります。

案件の種類と報酬相場を以下にまとめました。

同じ案件でも、求められるスキルのレベルによって報酬には大きな差があります。

高単価案件を目指すには、スキルアップが不可欠です。

Webデザイナーとして副業するために必要なスキル

Webデザイナーの仕事に興味を持っているものの、「具体的にどのようなスキルを身に付ければ良いのだろう」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

ここからは、Webデザイナーとして副業をするために身に付けたい代表的なスキルを紹介します。

デザインの基礎知識

Webデザイナーとして副業をするためには、デザインの基本知識を身に付ける必要があります。ここでいうデザインの基本知識は、「レイアウト」「タイポグラフィ」「配色」などです。

レイアウトは、「配置」「構図」のことです。視認性を維持しつつ、魅力的な構成に仕上げるには、Webサイトを構成するさまざまなパーツをバランス良く配置することが求められます。

タイポグラフィは、「文章を読みやすくデザインする技術」や「文字をデザインとして魅せる技術」のことです。文字の間隔や大きさ、フォント、色などの要素をうまく組み合わせることで、タイポグラフィの質を高められます。

配色はWebサイトの印象を大きく左右する要素の一つです。色の持つ印象を考えつつ、Webサイトの目的やテーマに合わせて、バランス良く色を組み合わせる必要があります。

センスの良いクリエイティブを作るには、基本知識を正しく身に付けることが重要です。これらの知識があれば、クライアントのニーズとマッチする魅力的な成果物を制作できるようになります。

デザインツールを使いこなすスキル

Webデザイナーとして副業をするためには、デザインツールを使いこなすスキルも必要です。

Webデザインで用いられる代表的なデザインツールには、以下のようなものがあります。

• Illustrator：ロゴ・アイコン・イラストなどの制作に使用
• Photoshop：画像編集・加工、グラフィックデザインなどに使用

これらのツールを使えないと、Webデザイナーの仕事をこなすことはできません。ツールの機能を理解し、魅力的なデザインを仕上げる技術が必要です。

コーディングスキル

コーディングスキルも、Webデザイナーとして副業をするなら身に付けておくべきスキルです。

コーディングとは、Webサイトの表示方法を、マークアップ言語やプログラミング言語で指示する作業です。HTML・CSS・JavaScript・jQueryなどを使って「ソースコード」を作成します。

コーディングができれば、レスポンシブデザインの対応力や提案力の向上にもつながり、クライアントやプログラマーとの連携もスムーズになります。

営業スキル

Webデザイナーとして副業案件を獲得したいなら、営業スキルも必要不可欠です。

どれだけスキルがあっても、自分を売り込めなければ案件にはつながりません。クラウドソーシングやSNSなど、オンラインに特化した営業手法を身に付けることが重要です。

営業スキルがあれば、自分の魅力を適切に伝えられるようになるので、安定した案件獲得に直結します。

副業に強いWebデザインスクール8選

Webデザインを学べるスクールは数多くありますが、副業で活躍することを考えているのなら、副業に強いスクールを選ぶことが重要です。

ここからは、副業に強いおすすめのWebデザインスクールを8つ紹介します。

デジタルハリウッドSTUDIO

デジタルハリウッドは、創立30年を迎えたクリエイターのためのスクールです。

『Webデザイン・Webデザイナー専攻』では、複数のカリキュラムを用意しており、目指すキャリアに合わせた学習ができます。『副業スタートアップパック』は、1本3,000〜5,000円程度のバナー制作を目標に、Illustrator・Photoshopのスキルを身に付けた後、実践でバナー制作に取り組みます。

基本は映像学習なので、仕事や子育て中の隙間時間でも学びやすいです。また受講中は、無制限で現役クリエイターの個別トレーニングを受けることもできます。

デジタルハリウッドSTUDIOの詳細はこちら

テックアカデミー

テックアカデミーは、現役デザイナーや現役エンジニアから学べるさまざまなコースを提供しているスクールです。

『Webデザインコース』は、バナー制作やWebサイト制作などを学べるコースで、カリキュラムにポートフォリオサイト制作も組み込まれています。Webデザインの基礎やデザインツールはもちろん、コーディングも学ぶことができ、Webデザイナーとして必要なスキルがしっかり身に付くのが特徴です。3件の実案件保証が付いており、学んだ内容を生かした実績作りができるので、その後の案件獲得にもつなげやすいでしょう。

4〜16週間の4つのプランがあり、ライフスタイルに合わせて無理なく学習できます。

テックアカデミーの詳細はこちら

DMM WEBCAMP

DMM WEBCAMPは、Webデザインの他、プログラミングが学べるスクールで、これまで8,000人以上のIT人材を輩出してきました。

『副業・フリーランスコース』は、デザインの基礎からスタートし、Webページ制作やポートフォリオ制作、Webサイトの公開など、実践的なスキルが学べるコースです。バナー制作の他、ランディングページやWebサイトのコーディング、動画やWordPressの更新スキルなども身に付けられます。

副業に特化したコースなので、副業の成功に欠かせないノウハウもしっかり学べるのが特徴です。案件保証があり、実案件での制作物に対しても、メンターからフィードバックが受けられます。

DMM WEBCAMPの詳細はこちら

SAMURAI ENGINEER

SAMURAI ENGINEERは、Webデザインやプログラミングが学べるマンツーマンのオンラインスクールです。

『フリーランスコース』は、バナー制作やコーディング、WordPressなどのWeb制作スキルの基礎から学び、実践的な学習やポートフォリオ制作を経て、継続的な案件獲得に必要なスキルやノウハウを学びます。受講期間別に4つのプランが用意されていますが、24週間プランの場合、目標月収20万円を目指せるのが特徴です。

オーダーメイドカリキュラムなので、案件応募やクライアント対応、納品や卒業後の働き方なども、一人ひとりのニーズや悩みに合わせて柔軟に学べます。受講生の90％が未経験だったのにもかかわらず、挫折率はわずか2.1％で、学習サポートも充実しています。

SAMURAI ENGINEERの詳細はこちら

Zero Plus

Zero Plusはフリーランスレベルのスキルを持つ人材育成に強みを持つスクールです。

独自の現役フリーランス監修メソッドで、Webデザインはもちろん、Web制作に必要な要件定義やコーディング、運用保守、営業スキルなども学べます。学び方の異なる3つのコースがあるため、予算やライフスタイル、ご自身の性格に合わせて学習ができるのが特徴です。

リアルタイム講義なので、緊張感を持って学び続けることができるでしょう。講義はメイン講師とサブ講師の2人が担当するため、集団コースや少人数コースでも、分からないところをその場で質問できるようになっています。

Zero Plusの詳細はこちら

Find me！

Find me！は女性向けのWebデザインスクールです。

現役Webデザイナーが監修した200本以上の動画カリキュラムがあり、Webデザイン・Web制作・Webマーケティングを基礎から実践まで学べます。月額制なので、コストを抑えて無理なく学習を進められるでしょう。

プランは3つ用意されており、ライトプランは動画カリキュラム見放題、デザイン素材配布のみです。スタンダードプラン以上は、24時間のチャットサポートや、マンツーマン授業、仕事獲得サポートを受けられます。またプロサポートプランは仕事紹介やコーチングなども受けられるのが特徴です。

Find me！の詳細はこちら

SHElikes

SHElikesは、累計会員数20万人を突破した女性向けキャリアスクールです。

Webデザインはもちろん、マーケティングや動画編集、プログラミング、ライティング、ビジネスなど45種類以上のスキルが自由に学べます。さまざまな講座を受けることで、自分に適したスキルを見つけられるでしょう。入門的コースも用意されているため、未経験でも基礎からしっかりスキルを身に付けられるのが特徴です。

サポートが手厚いレギュラープランと、無理なく学習が継続できる月額制のスタンダードプランから選べます。いずれのプランもレッスンが受け放題で、プロによる課題の添削やコーチングが受けられます。

CodeCamp

CodeCampは運営実績10年以上のWebデザイン・プログラミングスクールです。

『初めてのWebデザイン副業コース』は、全10回のレッスンで構成されており、デザインツールの使い方やデザインの基礎知識、現場に関する知識、バナーやポートフォリオの制作による実践演習などを、マンツーマンレッスンで学べます。コース修了後は、案件の提供を受けることもできます。

レッスンのポイント期限は6カ月で設定されていますが、6カ月以内であれば自分のペースで学べるのが特徴です。自分のペースで学べるので、無理なくスキルの習得が目指せるでしょう。

CodeCampの詳細はこちら

副業に強いWebデザインスクールの選び方

これからの時代に活躍できるスキルの一つとしてWebデザインに注目が集まる今、紹介した以外にも多くのWebデザインスクールがあります。Webデザイナーとして副業したいなら、副業に強いスクールを選ぶことが大切です。

ここからは、副業に強いデザインスクールの選び方のポイントを紹介します。

副業に強いデザインスクールの選び方

• 副業の目的にあったカリキュラムか
• 副業で生きる実践スキルを身に付けられるか
• 案件獲得のサポートがあるか

副業の目的にあったカリキュラムか

副業に強いWebデザインスクールを選ぶためには、副業の目的に合ったカリキュラムになっているかを確認しましょう。

Webデザイナーといっても、前述した通り、案件の内容はさまざまです。Webサイトを制作したいなら、Webデザイン全般を学ぶ必要がありますが、バナーやロゴの制作のみを副業にしたい場合、デザインの基礎知識やIllustrator・Photoshopのスキルがあれば、案件をこなすことができます。自分の副業の目的に合わせたカリキュラムになっているスクールを選ぶことで、無駄なく副業をスタートできるでしょう。ただし、将来活躍の幅を広げるなら、Webデザイン全般を学ぶのがおすすめです。

またWebデザインスクールの講座の中には、コーディングを中心とした講座を提供しているスクールもあります。前述したようにコーディングスキルがあればWebデザイナーとして有利になりますが、肝心のWebデザインが十分に学べなければ意味がありません。Webデザインを中心に副業をしたい場合は、基礎から応用までしっかりWebデザインを学べるかどうかを確認することが大切です。

副業で生きる実践スキルを身に付けられるか

副業に強いWebデザインスクールを選ぶためには、副業で生きる実践スキルを身に付けられるかどうかをチェックすることも大切です。

Webデザインの知識やスキルを学んだからといって、案件が獲得できるわけではありません。未経験でスタートする場合、実務経験がないことがほとんどなので、せっかくWebデザインを学んでも、思うように案件を獲得できない恐れがあります。

しかし、実践を見据えたWebサイト制作やバナー制作などが含まれているカリキュラムを用意しているスクールを選べば、即戦力として活躍する力が身に付きやすいです。受講中に実績作りもできるので、より案件が獲得しやすくなります。

案件獲得のサポートがあるか

案件獲得のサポートがあるかどうかも、副業に強いWebデザインスクールを選ぶ際のポイントです。

Webデザインのスキルや営業スキルを身に付けても、実績が十分にないうちは案件がなかなか獲得できない可能性があります。案件獲得サポートを充実させているスクールなら、案件を紹介してくれたり、応募書類やポートフォリオへのアドバイスをくれたりするので、案件獲得につなげやすいです。

また案件保証制度を設けているスクールもあります。案件保証制度があるスクールなら、実案件の紹介を保証してくれるため、実務経験の実績作りが可能です。ただし案件保証といっても、スクールによって内容や適用になる条件が異なります。案件保証があるスクールに通おうと考えているのなら、紹介される案件の質や数、案件保証を受けるための条件があるかどうかも確認しましょう。

どう稼ぐ？　Webデザインスクール卒業後の5つの行動術

Webデザインスクールを卒業したからといって、そのままでは副業が成功するとはいえません。副業で目標収入を得るには、卒業後も努力を続けることが大切です。

Webデザインスクール卒業後、どのような行動を起こしていけば良いのかを見ていきましょう。

1.クラウドソーシングや案件紹介サイトに登録する

Webデザインスクールを卒業したら、クラウドソーシングや案件紹介サイトに登録しましょう。

フリーランスや副業人材の案件獲得をサポートするプラットフォームは、「クラウドワークス」、「ランサーズ」などが代表的です。また、自分で単価を設定してスキルを売り出せる「ココナラ」も人気があります。主婦の方や子育て中の方には、「ママワークス」や「シュフティ」も人気です。

クラウドソーシングや案件紹介サイトには、未経験でも応募できるものも多く、案件の難易度も低めの傾向にあります。単価が低いケースも多いですが、実績作りにも活用できる上、案件を獲得すると自信にもつながるので、まず登録するようにしましょう。

2.ポートフォリオを制作する

Webデザインスクールを卒業後は、ポートフォリオも必ず制作しましょう。

ポートフォリオは、これまでの制作実績をまとめたもので、案件獲得の際に提示を求められることが多いです。履歴書や職務経歴書だけでは分からないWebデザイナーとしてのスキルを示すためには、ポートフォリオが欠かせません。単に制作物を載せるだけでなく、制作した目的やターゲットなど、制作物に関する説明もポートフォリオに掲載するようにしましょう。

近年は、自分のWebサイトを制作し、制作実績に加えて、プロフィールや経歴、問い合わせ先などの情報を集約させるのが一般的になっています。カリキュラムの一環として、ポートフォリオ制作を組み込んでいるスクールを選ぶのも一つの方法です。

3.クライアントワークのマナーを身に付ける

クライアントワークのマナーやルールを身に付けることも、卒業後に意識したいポイントです。

副業で継続して案件を受注し続けるには、基本的なビジネスマナーに加え、スピーディーなコミュニケーションを心掛けることが大切です。対応できない日を事前に伝えておけば、クライアントに不信感を与える心配もありません。

また納期厳守を徹底し、納期よりも数日早く納品できるようなスケジュールを組んでおくと、信頼の獲得につながります。必要に応じて定期的に進捗状況を共有し、問題があればできるだけ早く報告するようにしましょう。

4.実案件にチャレンジする

副業で成功するには、実案件にチャレンジすることも重要です。

実案件は、学習で得たスキルを実践で試す絶好の機会であり、技術の向上だけでなく、クライアント対応や納期管理などの実務的な能力も鍛えられます。また、クライアントの要望に応える中で、自分のスキルの強みや弱点が明確になるため、学びを深める良いきっかけとなるでしょう。

さらに、実案件を通じて制作したクリエイティブは、自分のポートフォリオとして活用できます。ポートフォリオが充実すれば、新たな案件獲得の際の信頼材料となり、案件の継続受注につながりやすいです。

特に副業では、短期間で結果を出し、実績を積み重ねることが収入アップやキャリアの構築につながります。

5.スキルアップの勉強を続ける

Webデザイナーとして副業を始めてからも、スキルアップの勉強を続けましょう。

変化が著しいWeb業界で成功するには、トレンドのデザインを常に意識し、新たなテクニックを取り入れていくことが大切です。スクールを卒業して終わりなのではなく、成長するための努力を続けることで、Webデザイナーとしてのスキル向上が実現します。

またWebデザイナーに関連するマーケティングスキルやUI / UXデザインスキル、ディレクションスキルなども身に付ければ、他のWebデザイナーとの差別化を図ることも可能です。

まとめ

副業で安定的に収入を得るためには、スキルだけでなく学びの環境も重要です。本記事では、副業市場の最新動向や案件単価、必要なスキルに加え、副業に強いWebデザインスクールを8校厳選してご紹介しました。
目的に合ったカリキュラムやサポート体制が整ったスクールを選ぶことで、未経験からでも副業デビューが目指せます。
ぜひ、自分のライフスタイルや目標に合ったスクールを見つけ、理想の働き方を実現しましょう。

なお、マナビタイムでは、気になるスクールやコースを検討リストに保存し、まとめて問い合わせすることができます。
複数のスクールを比較しながら効率よく情報収集するためにも、まとめて問い合わせの活用がおすすめです。

他にもさまざまなWebデザインスクールを比較したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。