サーバーエンジニアを目指す方のなかには、フリーランスになりたいと考えている方もいるでしょう。また、フリーランスになりたいけれど、仕事内容や平均単価がわからず不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、サーバーエンジニアの仕事内容や平均単価をご紹介します。求められるスキルやフリーランスを目指す方法も解説しており、フリーランスのサーバーエンジニアを目指すために重要な情報をまとめています。ぜひ最後までご覧ください。
サーバーエンジニアは、サーバーやクラウドの設計や運用、保守といったインフラ関連の業務を担当する職種です。システムの設計と構築段階では、要件に合わせたサーバーやクラウドインフラを構築します。運用と保守ではシステムが正常に作動していることを確認しつつ、障害発生時には迅速に対応し、サービスの中断を最小限に抑えます。
このようにシステムの企画から企画から設計、保守・運用、障害対応まで一貫して対応できる人材になると希少価値が高くなるため、希望する条件で採用される可能性が高いです。
フリーランスのサーバーエンジニアは、顧客のオフィスに出勤する客先常駐とリモートワーク形式の2つに分かれています。客先常駐では、顧客のオフィスにあるサーバーを物理的にメンテナンスします。移動時間がある分だけリモートワークより拘束時間が長い傾向です。
リモートワークは、自宅やコワーキングスペースなど場所を選ばず働けるため、拘束時間は常駐より短い傾向にありますが、必要があれば出勤を求められるケースもあるでしょう。
IT求人に特化した転職サイト「AKKODiS」によると、フリーランスのサーバーエンジニアの月別案件単価は79万1,900円が平均です。(2023年9月4日現在)
月の最低単価は40万円、最高単価は140万円と幅が広いですが、ほとんどの案件が70万から80万円台に集中しています。
平均単価を年収換算すると約950万円にものぼり、案件を安定して獲得し続けることで、高年収を目指すことができるでしょう。
一方「doda」のデータによると、サーバーエンジニアの正社員の平均年収は457.3万円であり、スキルのある方であれば独立した方が給料が上がりやすいという結果が出ています。
ただし、フリーランスは固定給がないため、収入が安定しにくいリスクがあります。自分の適性や力量を見極め、慎重に決断するのがよいでしょう。
フリーランスのサーバーエンジニアが安定して案件を獲得するためには、即戦力として認められることが重要です。ただし、サーバーに関する高いスキルがなければ、案件獲得すること自体が難しくなるのが現実です。
ほかにも、顧客と円滑なコミュニケーションをとる能力や、スケジュール調整や仕事を予定通りに進める自己管理能力など、必要なスキルは多岐に渡ります。フリーランスとして、独立する前に把握しておくとよいでしょう。
フリーランスのサーバーエンジニアは顧客から要望を聞いたうえで、サーバーの設計・構築をします。相手の要望を聞くだけでなく、自ら質問して顧客が気づいていなかった課題を発見する能力も重要です。
顧客によってITの知識レベルが異なるため、相手に合わせてわかりやすい提案をできると、評価が高まるでしょう。
また、プロジェクトには沢山の人員が関わります。現場のプログラマーと連携しながらプロジェクトを進める必要があり、各メンバーの性格を把握したうえで円滑にコミュニケーションをとる能力も重要となります。
フリーランスは組織に所属せず、自分でスケジュールを管理します。自由度が高い一方、納期の調整や体調管理など自己管理能力が重要です。納期に遅れたり、体調を崩しがちになると顧客から信用を失い、案件獲得に影響が出ます。
トラブルを避けるためにも、自身のスケジュールや体調管理する習慣を早期に身につけておくとよいでしょう。
サーバー関連の高いスキルがなければ、フリーランスとして案件を獲得するのは難しいのが実情です。そのため、フリーランスになる前に、プログラミングスクールへの通学や、関連資格の取得を目指すのがおすすめです。
また、不安がある場合は副業から始めるのもよいでしょう。
副業から始めると、経済的なリスクを抑えながら実務経験を得られる点がメリットです。会社員として安定した収入を本業で確保できるため、副業がうまくいかなくても致命的なダメージはありません。
会社員のサーバーエンジニアとして経験を積みながら、副業を始めて独立の準備を進められる点もメリットといえるでしょう。
サーバーエンジニアの仕事にはクラウド上のサーバーを保守・運用するものも増えてきており、リモートでも働きやすい環境が整いつつあります。
副業ではいきなり高単価の案件に結びつかない可能性もありますが、未経験でも採用される可能性がある案件を中心に経験を積んでおくと、独立時のアピール材料になるでしょう。
サーバーエンジニアに求められる資格6選!難易度とおすすめの勉強法は?
IT業界の中でも高い専門性を有するサーバーエンジニアは、市場価値が高く、将来性のある職業とされています。
総務省が発表している「令和4年版 企業におけるクラウドサービスの利用動向」を見ても、サーバーエンジニアの担当領域であるクラウドを導入する企業の割合は増加しています。
実際にクラウドサービスを導入した企業は、「ファイル保管や電子メールなどの利用を通して、社内環境の整備や業務効率化の実現を実感している」と答えた割合が半数を超えており、今後もこの傾向は続くでしょう。
この傾向から考えても、フリーランスのサーバーエンジニアとしてスキルや実績を積めば、クラウドサーバーの利用拡大に乗じて案件を獲得できる可能性は高いことがわかります。
サーバーエンジニアへの転職はおすすめ?成功のポイントも解説!
フリーランスのサーバーエンジニアが案件を獲得する方法は、フリーランス向けエージェントを活用するケースが多いです。
なかには、知人や友人から紹介を受け、案件を獲得している方もいます。また、SNSやメールなどでサーバーエンジニアを探している企業へ直接営業をかけるケースもあり、自分に合った方法を選ぶと、より効率よく案件を獲得して高年収を目指せるでしょう。
フリーランス向けのエージェント活用は、案件獲得するための1つの方法です。
フリーランス向けのエージェントは、高単価のものから比較的単価の低いものまでさまざまな案件を紹介しています。自分で案件獲得に動かなくとも、必要な情報を登録して応募するだけなので、労力がかからない点もメリットです。
ただし、利用者が多いため人気のある案件は倍率が高く、採用される可能性が低くなります。
フリーランスとして独立したばかりの時期は、採用率を重視して案件獲得に動くとよいでしょう。最初は保守・運用を中心とした下流の案件ばかりでも、実績を増やすことで、徐々にサーバーの企画・設計といった上流工程の案件を担当できる可能性が高まります。
フリーランスのサーバーエンジニアとして人脈を広げれば、知人や友人から案件を紹介してもらえるケースがあります。紹介案件は、初めから一定の信用を得られるメリットがあります。
フリーランスのサーバーエンジニアはサーバー構築や保守・運用に関連するスキルが最も評価されますが、人間関係を構築する能力も重要です。誠実な対応をし、関係性の構築に努めましょう。
SNSではサーバーエンジニアを求めている企業に対して、直接営業活動ができます。
直接契約となるため、エージェントを活用した場合にかかる手数料は不要であり、報酬がそのまま収入になります。ただし、直接契約では報酬が支払われないなどのトラブルが発生した場合、自力で対応しなければならないデメリットもあります。
リスクとリターンを考えたうえで、信頼できる企業に積極的な営業をかけましょう。エージェントを介しては獲得できない、思わぬ案件に出会える可能性もあります。
この記事では、フリーランスのサーバーエンジニアの仕事内容や平均単価、求められるスキル、目指す方法、将来性、案件を獲得する方法といった観点から解説しました。
フリーランスのサーバーエンジニアは月単位の単価が高い傾向にあり、スキルがあれば高年収を達成しやすい職業です。
一方で専門性が高いため、いきなりフリーランスになるよりは、スクールや資格取得でスキルを高めながら、段階的にフリーランスのサーバーエンジニアを目指すとよいでしょう。