システムエンジニア(SE)とは?仕事内容から年収まで完全ガイド

「システムエンジニア(SE)ってどんな仕事?」と疑問に思ったことはありませんか?
SEは、顧客の要望を形にするシステムの設計・開発・保守を担う重要な職種です。
本記事では、システムエンジニアの仕事内容から、よくある誤解、必要なスキル、キャリアパス、年収事情、未経験からの転職方法まで詳しく解説。
SEを目指す方や、SEの働き方に興味のある方必見です!
- システムエンジニアの仕事内容とキャリアパス
- 必要なスキルや年収事情、よくある誤解
- 未経験からSEを目指すための勉強法
システムエンジニア(SE)の概要

システムエンジニアとはソフトウェアの開発現場にて、システム設計や開発チームの管理をする職種です。主に顧客からの要望に応じたシステム開発を担当します。
システムエンジニアは、よくプログラマーと間違われますが2つは全く別の職種です。プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとにプログラミングするのが仕事です。
システムエンジニアはシステムを設計しプログラマーへ設計書を提示する業務指示など、上流工程の役割を担います。
システムエンジニア(SE)の仕事内容
ソフトウェアの開発現場にて上流工程の役割を担う「システムエンジニア」。
具体的な仕事内容は次の5つです。仕事内容1:顧客の要件を洗い出し
顧客のニーズを正確に理解し、システムの全体像や方向性を決めるためには、顧客からの課題や要望をヒアリングする必要があります。
ヒアリングした内容をもとに要件を洗い出し、顧客が求めるシステムを設計する流れです。
顧客のニーズを満たすシステムでなければ顧客の課題を改善できないため、しっかりとヒアリングする必要があります。
仕事内容2:基本設計
顧客から要件をヒアリングしたあとは、基本設計を行います。基本設計は、顧客ニーズを満たしたシステムを作成する重要な仕事です。顧客からヒアリングした情報をもとにシステムを設計していきます。
「どんな機能を入れるか」「システム上の情報はどうするべきか」などの基本的な構成を設計し、大まかなシステム開発の方向性を明確に定義していきます。
仕事内容3:詳細設計
基本設計が完成したあとは、詳細設計を行います。詳細設計は、設計書の仕様通りにシステムが作動するよう、実装予定の機能やシステムを組み合わせる仕事です。
基本設計の結果をプログラミングしやすくするのが、詳細設計の役割です。細かく設計すればするほど、顧客が求めるシステムを実現しやすくなります。
仕事内容4:テスト運用
設計終了後、完成したシステムが正しく動作するかどうかをテストします。テストの種類は、主に2つあります。
- 単体テスト
- 結合テスト
単体テストは、各画面や機能など実施される動作をテストするのが目的です。一方結合テストは、複数のモジュールを結合させて設計した通りに動作するかを確認します。
テストし、不備やミスがあれば修正し、問題なければ顧客へ納品します。
仕事内容5:保守・運用
システムエンジニアの仕事は、顧客へ納品した後の「保守」や「運用」も含まれます。
「運用」はサーバーやネットワークがトラブルで停止しないように管理する仕事です。一方、「保守」はシステム障害への対応を指します。
障害が発生した際は、原因の追求と復旧対応が重要であり、システムエンジニアの腕の見せどころです。
システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)の違い
システムエンジニアとプログラマーは、IT業界で中心的な職種として多くの方に知られています。しかし、主な業務や役割についてはあまり知られておらず、混同している方も多いのが現実です。
システムエンジニアを目指している方は、プログラマーとの違いについても知っておくとよいでしょう。
それぞれの業務範囲
システムエンジニアの仕事内容は上述の通りですが、プログラマーとの違いとしては、顧客とのコミュニケーションや要件定義、システム設計、テストの計画など、プログラミング以外の業務を担当する点が挙げられます。
プログラマーはシステムエンジニアの下流業務を担当するため、具体的なプログラミングが中心業務です。
それぞれが持っておくべきスキル
システムエンジニアは技術的なスキル以外のヒューマンスキル、特にマネジメントスキルが求められます。プログラマーは特定の言語や環境に対してのスキルを持っていれば問題ありません。
プログラマーが持っておくべきスキルと資格について知りたい方は以下をお読みください。

プログラマーにおすすめの資格11選|資格取得のメリットや勉強方法とは
システムエンジニアの一日
システムエンジニアの一日は、具体的なプロジェクトのステージやその人の役割により、さまざまな形をとることがあります。ここでは一般的な一日の流れを見てみましょう。
始業:朝の準備とスタンドアップミーティング
システムエンジニアの一日は、メールチェックやスケジュール確認から始まります。その後チームでのスタンドアップミーティングで、自分のタスクや進行中のプロジェクトの進捗状況を共有し、一日の始まりを迎えるのが一般的です。
午前:集中作業時間
ミーティング後は、要件定義や設計作業、プログラムのコーディングなど、具体的なタスクに取り組みます。この時間は一つ一つの仕事に集中し、成果を出すための大切な時間です。
午後:チームや顧客とのミーティング
午後はより多くのコミュニケーションが必要となります。チームメンバーや顧客とのミーティングで進行中のプロジェクトの進捗確認や問題点の共有、解決策の提案などを行います。
夕方:タスクの整理と学習時間
日々の作業のまとめや、明日の予定を整理します。また、新しい技術の習得や自身のスキルアップのために学習時間を設けることもあります。
終業:一日の振り返り
終業前には、一日の作業を振り返り、達成点や改善点を確認します。また、翌日のタスクの準備を行います。
システムエンジニアの一日は、さまざまなタスクとコミュニケーションを通じて、プロジェクトを前進させるものです。毎日が新たな課題と解決の連続であり、それはまた新しい成果と自己成長への道となります。
システムエンジニア業界でよくある誤解

システムエンジニア業界はよく誤解されがちです。
上述したシステムエンジニアの一日を見て、システムエンジニアに対するイメージは少し変わったでしょうか?
ここからはシステムエンジニア業界の誤解を解き、真実を紹介します。
システムエンジニアの仕事はプログラミングだけ
システムエンジニアは一日中パソコンに向かってプログラミングをするのが仕事と思われていますが、実際の業務は多岐にわたります。要件定義から設計、実装、テスト、そして運用・保守に至るまで、プログラミングはその一部に過ぎません。
システムエンジニアは労働環境が過酷
TVドラマなどの影響で、システムエンジニアは激務が多く、家に帰れない時間まで働くなど、労働環境が過酷な仕事だというイメージもあります。
プロジェクトや企業によりますが、確かに一部のプロジェクトでは厳しいスケジュールが組まれていることもあります。それでも、システムエンジニア自身がスケジュールを管理し、業務量をコントロールすることは可能です。会社員であれば、労働基準法により過度な残業から保護されているため、無理な労働環境は少なくなっています。
システムエンジニアはITだけ詳しければよい
システムエンジニアにITの基礎知識は必要ですが、それが全てではありません。
システムエンジニアという職種には、IT以外にも多様なスキルと知識が求められます。その分、経験を積み、スキルを高めることで大きな成長を遂げられる可能性があるのです。IT以外にも複数のスキルが必要な難易度の高い職種であることを知っておきましょう。
システムエンジニアが学ぶべきプログラミング言語

システムエンジニア業界への誤解が解け、これからシステムエンジニアとしての道を歩みたいとお考えの方に向けて、ここからは業界で活躍するためにはどのようなプログラミング言語を学ぶべきかを紹介します。
業務によって必要な言語が異なる
まず最初に理解しておくべきは、システムエンジニアの仕事内容や扱うプロジェクト、または所属する企業によって、求められるプログラミング言語が異なるということです。
一部の企業では特定の言語のみを使用していることもありますが、技術の進歩とともに新しい言語が生まれ、既存の言語が更新されるため、システムエンジニアは常に学び続ける姿勢が求められます。
Python
Pythonはそのシンプルさと多機能さから、初心者にも経験者にも人気のある言語です。
データ解析、AI開発、Web開発など、幅広い業界で活用されており、学ぶことで多様なプロジェクトに対応できるようになります。
Java
Javaは企業のビジネスアプリケーション開発でよく使われるプログラミング言語の一つで、その堅牢性と移植性から多くの企業で採用されています。
また、オブジェクト指向の概念を理解するためにも適した言語です。
HTML+CSS
HTMLとCSSはWeb開発の基本で、Webページの構造とデザインを定義するために用いられます。
システムエンジニアがWeb関連のプロジェクトに携わる機会も多く、これらの言語の理解は必須です。
JavaScript
JavaScriptは、動的なWebページ作成のための言語で、HTML・CSSと並ぶWeb開発の三大要素です。
Node.jsの登場により、サーバーサイドの開発にも活用されるようになりました。
これらのプログラミング言語を学ぶことで、システムエンジニアとしての基礎を固め、あらゆるプロジェクトに対応する能力を身につけることができます。
それぞれの言語には特有の強みと用途があるため、自分の興味やキャリア目標に応じて選ぶことが重要です。
システムエンジニア(SE)に必要なスキル4選

システムエンジニアの職務は、プログラミングなどの技術的な要素だけでなく、コミュニケーションや管理の要素も含んでいます。
高度な専門技術が必要ですが、それと同時に以下の4つのスキルをマスターすることで、より高品質な仕事が可能になります。
スキル1:ヒアリング力
システムエンジニアは、要件定義からプロジェクトのスケジュール管理まで、さまざまな業務を担当します。
その中でも、特に重要なのがヒアリング力です。顧客のニーズを満たすシステムを設計し実装するためには、まずその要望を的確に理解する必要があります。
顧客の課題やシステムを導入する目的を正確に把握できれば、それに基づいた適切な機能の設計や技術選定が可能となります。
スキル2:技術力
次に挙げられるのが技術力です。ヒアリングで把握した顧客のニーズを満たすシステムを具現化するためには、高い技術力が求められます。
この技術力は、プログラミングスキルを含む幅広い知識と経験を意味します。
自己学習を重ねる姿勢が不可欠であり、Web上の学習サイトやプログラミングスクールなどを活用することが有効です。
スキル3:マネジメント力
システム開発は、多数の人々と協力して行うプロジェクトです。
そのため、各部署との連携や、担当者への適切な指示など、マネジメント力も求められます。
また、納期に遅れずに業務を遂行するためには、スケジュール管理能力も重要です。
チーム全体を動かす調整力がプロジェクト成功の鍵となります。
スキル4:論理的思考力
最後に挙げられるのが論理的思考力です。
システム設計においては、顧客の要望を整理し、さまざまな要素(コスト、性能など)を考慮して最適なシステムを設計する必要があります。
それぞれの要素がどのようにシステム全体に影響を及ぼすか、どのようにして顧客の問題を解決するかを理論的に説明する能力は、高品質なシステム提供の要です。

システムエンジニアに必要なスキル5選!スキルアップのための方法とは?
システムエンジニア(SE)の平均年収

多岐にわたる技術知識と経験が必要なシステムエンジニアの平均年収は、ほかの業種と比較すると高い傾向にあります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニアの平均年収は684万円と、日本全体の平均年収約460万円を大きく上回っています。
参照元:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査、国税庁 民間給与実態統計調査
この高い年収は、システムエンジニアの仕事内容と業界の状況から説明できます。
一つは、システムエンジニアが必要とする高い専門技術です。システム設計やプログラミングスキルに加え、さまざまなプロジェクトを適切に遂行するためのマネジメント力やスケジュール管理力が求められます。上流工程を担当することが多いため、その責任は重大で、それが年収に反映されているのです。
もう一つは、高まるIT需要です。
現代社会では、企業のビジネスを支えるシステムが求められる一方で、十分な人材が供給されていない現状があります。この需要と供給のバランスが崩れている状況が、システムエンジニアの年収を押し上げています。
これらの要素から見ても、システムエンジニアは魅力的な職業であると言えるでしょう。専門技術を持つ人々にとって、報酬面でも充実したキャリアが期待できます。

システムエンジニアの平均年収・収入アップの方法を徹底紹介!
システムエンジニアのキャリアパス

システムエンジニアのキャリアは技術的専門性と柔軟性に富み、多様な進路が存在します。
高度な技術力と経験をもとに、豊富な報酬を得ることができます。さまざまなキャリアパスが存在するのも、システムエンジニアの大きな特長です。
初期段階:基本スキルの習得
主にシステムの要件定義や設計などを担当し、現場の経験を積む段階です。この経験が、プロジェクトマネージャーへのステップにもつながります。
中級段階:リーダーシップの発揮
より複雑なシステムの設計や開発に携わり、プロジェクト管理や品質保証にも関与します。チームを牽引するリーダー的役割を担います。
上級段階:専門家としての役割
プロジェクトマネージャーとしての全体統括、アーキテクトとしての技術指針の設計など、システムの要となる職務を担います。
その他のキャリアパス
ITコンサルタントやフリーランスとして独立する道もあります。
自分のスキルや目標に応じたキャリア選択が可能であり、将来性豊かな職種です。
柔軟性と広範な選択肢があるため、絶え間ない学びの姿勢がキャリア形成の鍵となります。
未経験からシステムエンジニア(SE)へ転職するために効果的な勉強方法3選

未経験者からシステムエンジニアを目指すなかで「本当になれるのだろうか」と不安に思う方もいるでしょう。
勉強してスキルを身につければ、未経験でもシステムエンジニアになれる可能性は十分あります。まずは、システムエンジニアになるための技術的なスキルを身に付けましょう。
ここでは、スキルを身につける効果的な勉強方法を3つ紹介します。
- システムエンジニアに関連する資格を取得する
- 独学で知識やスキルを身につける
- スクールに通ってプロから教わる
システムエンジニアに関連する資格を取得する
システムエンジニアに関する主な資格は、以下の2つです。
基本情報技術者試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:47.1%(令和5年度合計) 未経験者でも受験可能だが、十分に時間をかけて勉強する必要がある |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 随時 |
(参考:基本情報技術者試験の合格率は?)
応用情報技術者試験 | |
---|---|
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
受験料(税込) | 7,500円 |
難易度 | 合格率:20%前後 |
合格ライン | 60点以上/100点満点 |
受験方法 | CBT 年2回(春・秋) |
(参考:応用情報技術者試験ドットコム)
これらの資格の勉強は、ITに関する基礎知識や高度な技術の取得にもつながります。
知識が身につけばスキルアップもできるため、自分の価値も高まります。
どちらの資格も国家資格であるため、システムエンジニアへ転職するとなれば大きなアピールになるでしょう。資格取得のために努力した過程も評価対象となり、転職活動にも有利に働くはずです。
ほかにも、システムエンジニアとしてキャリアを積むうえで生かせる資格は多数あります。
独学で知識やスキルを身につける
独学で知識やスキルを身につけることも、効果的な勉強方法です。
近年はYouTubeや動画学習サイト、個人のブログに有益な情報が掲載されています。
ネットや動画をうまく活用すれば、短時間で効率よく勉強可能であり、忙しい方や初心者の方にもおすすめです。
プログラミングスクールに通ってプロから教わる
システムエンジニアに必要な技術的スキルを身につけるために、プログラミングスクールに通うのも1つの方法です。
現役エンジニアによる実践的な指導が受けられるため、現場で使えるスキルを効率的に習得できます。
知識だけでなく即戦力としてのスキルを習得でき、特に短期間でスキルを向上させたい方におすすめです。
まとめ:システムエンジニアの仕事内容を理解してスクールでスキルを高めよう
システムエンジニア(SE)は、システムの要件定義から設計、プログラミング、開発、運用保守まで幅広く関わる重要なポジションです。
その業務内容は難易度が高く、平均年収も約733.6万円と高い傾向にあります。経験を積むことで、さらにキャリアアップする道も広がります。
顧客の要望を的確に把握し、最適なシステムを提案・構築するためには、ヒアリング力や技術力、マネジメント力、論理的思考力といった多彩なスキルが求められます。
システムエンジニアとして成功するためには、これらのスキルと知識をしっかり身につける必要があります。
未経験者でも、プログラミングスクールや資格取得、独学を組み合わせることでSEへの転職が可能。
適切な教育環境を選ぶことが非常に重要です。マナビタイムでは、多数のスクール情報を提供しており、気になるスクールやコースを検討リストに保存し、まとめて問い合わせすることも可能です。
まずは情報収集からスタートし、自分に合ったスクールを見つけ、キャリアアップの一歩を踏み出しましょう。
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